Z世代の自己表現の価値観を実現
では、なぜこうした機能がZ世代に刺さるのか。Snapchatの調査から、Z世代の特徴が見えてきた。
以下は直近2年間における、「Z世代の自己表現の価値観」を表した数値である。この数値から、「幸福への配慮」「人間関係を大事にする」「楽しさ」といった価値観が中心にあることがわかる。
これらの点を細かくみていくと、次の4つの特徴があることがわかった。
1.Z世代は、アイデンティティを確立し、本物の自分を大切にしたいという願望が大きい
Z世代は「他人が自分をどう思っているか」をストレスに感じている人が多く、その上のミレニアム世代やX世代との差は1.6倍であった。また、アイデンティティの探求に興奮するという意見や、自分自身を強くするための挑戦から成長するという意見も多くあった。
2.Z世代は創造的なコミュニケーションが好きである
Snapchatはには、「Bitmoji」と呼ばれる自分のデジタルアバターや、エフェクトを付けられるカメラなど、視覚的なコミュニケーションを充実させる機能が備えられている。
調査によると、Z世代の3人に2人は視覚的なコミュニケーションを使用し、つながりをより個人的なものにしていることや、実際にZ世代のSnapchatユーザーのうち95%がそうした機能を使用したことがあることがわかった。
3.Z世代はARショッピングに強い興味を持っている
ARショッピングとは、自宅などの遠隔地で、スマートフォンやタブレット上で商品をAR表示させ、実寸・質感・形状を確認し、購入ができるサービス。オンライン上で自分に合ったサイズやスタイルを特定できるだけでなく、体験をシェアすることでよりソーシャルな体験を生み出すことができる。
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Snapchatでは、商品のAR試着ができるフィルターがあり、商品検索・購入も可能。ARショッピングの楽しさを共有できるツールにもなっているのだ。
4.Z世代は親しい友人とより強いつながりを求めている
Z世代の4人に3人は、親しい友人とつながることが幸せになるための最も簡単な方法であると答えた。
これらの価値観を踏まえた自己表現を考えたときに、Snapchatがひとつの選択肢になっているのだ。
日本のZ世代にも人気は出る?
日本でも今後、Snapchatの利用者は拡大していくのだろうか。
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日本の裏表を線引きしたがる文化には、Snapchatは合っているのかもしれない。Instagramでは、本アカウントや裏アカウントなど複数アカウントを持ち、共有先を区別している人も多いが、Snapchatでは好きな相手に好きな時間だけ、好きなものを共有できる。
こうした特徴を踏まえると、日本でもさらに多くのZ世代がSnapchatを使うようになるかもしれない。