後述するが、今年のオールスターとその前後は、日本からの観戦旅行客にとても好都合のスケジュールとなっている。具体的な旅程は後で提案するので、ぜひ観戦旅行を計画していただきたい。
別名は「地球上の青い天国」
オールスターといえば、去年、われらが大谷翔平選手が、試合の前日に行われるホームランダービーに出場したり、本番では投打の二刀流で活躍するなどしたりして、大きな話題を集めたことが記憶に新しい。
とはいえ、日本や韓国、中南米の国々の選手が威信をかけて戦うWBC(ワールド・ベースボール・クラッシック)やオリンピックなどの「熱狂」に比べ、MLBの通常の試合は、このところ選手の球団との契約や保険金の問題、ケガへの恐れなどから、意外なくらいに盛り上がらない。そのなかで、唯一、華やかな脚光のもとに選ばれた選手が躍動するのが、このオールスターゲームだ。
今年開催されるドジャー・スタジアムは、言うまでもなくロサンゼルス・ドジャースの本拠地球場だ。フェンウェイパーク(1912年開場、ボストン)、リグレーフィールド(1914年開場、シカゴ)に次ぐ、1962年の開場。MLBのチームが本拠地とするなかでも、3番目に古い野球場だ。
写真提供=Shinji Inagaqui
「古い」とはいえ、座席数では5万6000人と全米最大級であり、MLBの30球場のなかでも、最も愛されている野球場の1つと言える。放送局のNBCスポーツは、独自に発表した全米球場ランキングでドジャー・スタジアムを第1位に担ぎ上げたが、その理由として「ドジャー・スタジアムには、MLBの球場に必要なものがすべて揃っている」と手放しで絶賛している。
「すべて」と言われてもわかりにくいだろうが、まずは「気候」だ。全米広しといえども、南カリフォルニア以上に気候が清々しい地域はない。冬暖かく、夏涼しい、特にドジャー・スタジアムは屋外球場だから気候は重要な要素だ。これ以上に観客にとってありがたいことがあるだろうか。もちろん、めったに雨天延期になることがない球場としても知られている。