「MEET YOUR ART」は、もともと2020年12月にアート専門YouTube番組を開設してプロジェクトを始動し、アーティストインタビューや現代アートに関する知識を幅広く紹介してきた。
このプロジェクトの理念は「新たな手法で、多くの方へアートに触れるきっかけや、若手のアーティストを知る機会を創出すること」。今回の「MEET YOUR ART FESTIVAL」は、その理念をもとに、既存のアートフェスティバルの概念を超え、音楽、食、ファッション、ライフスタイルと隣接した多様なカルチャーを一堂に会することで、アートやエンタメ、ビジネスといったさまざまな領域を超えて新しい出会いや発見を創出する場として開催された。
そして、今回のフェスティバルテーマは「New Soil」。多様なカルチャーの再接続に加え、自然と人間との再接続にまで解釈を広げることで、フェスティバルを通してサステナビリティを表現・提案する実験の場とすることを目的に、アート作品の展示やサステナビリティを理念につくられたプロダクトが販売されたほか、トークイベントなどが開催された。
MEET YOUR ART FESTIVAL 2022 “New Soil”
キュレーターの山峰潤也は、「『サステナブル』『ウェルビーイング』『エシカル』といった新しい時代のキーワードは、これからの時代を生きる上での指標であり、前提となる土壌です。
このフェスティバルでは『次の時代の新たな土壌(=Soil)』というテーマをもとに、一堂に会したアート、音楽、食やファッションなどを通して、自然と人間を超えて様々な分断を超えて『再接続(Re-connect)』から生まれる新たなビオトープとしての『New Soil』を提案していきます」と、コメントを寄せた。
山峰は、このイベント会場内でART EXHIBITION「The Voice of No Mans Land」を手掛け、さまざまなアーティストを集めることにも尽力。「人間と環境のこれからの未来について思いを巡らす」をコンセプトとし、この考えに合う活動を日頃から行なっているアーティストに直接声をかけてきたという。
そのうちのひとり、佐々木類は、植物とガラスを用いて「植物の記憶」をテーマに、作品を出展。会場内の一画には、佐々木の植物を挟んで焼いたガラス作品がずらりと並んだ。佐々木は「最初に声をかけてもらうときは、エイベックスというエンタメの会社がアート産業に参入するのが意外な反面、これまで違う分野にいた企業だからこそ既存にないことができるのではとワクワクした」と、参加した経緯を語った。
佐々木類の出展作品〈植物の記憶/Subtle Intimacy〉 Photo by Taisuke Koyama