「2025年までにすべてのペットボトル商品にサステナブルな素材を使うこと」を目指す日本コカ・コーラでは、消費者にその価値を理解してもらうため、ラベルレスボトルの開発などで、商品価格を変えない形で「可視化」を目指している。
ラベルレスボトルを見せるコカ・コーラの飯田征樹(サスティナビリティー推進部 部長)
また日本航空では、再生ペットボトルを100%取り入れ、成田空港でもリサイクルを実施している。機内食のメニューもこだわっており、例えば麺つゆなどの液体はジュレにすることでプラスチック容器の削減へとつなげている。
日本航空ESG推進担当の帳 叶氏
消費者を巻き込まなければ意味がない
第2部では、枝廣教授をファシリテーターに、消費者(学生)、企業、行政という3つの立場から、「パッケージレスな未来」「リユース/水平リサイクルに基づく未来」に向けた意見交換が行われた。
まず冒頭で、慶應義塾大学 蟹江憲史研究会の学生らが、プラスチックを削減するためのアイデアを提案。
「使い終わった包装容器を、木の幹のようなデザインのラックに戻してもらって回収する」というリユースが楽しくなるアイデアや、店頭で商品のQRコードを読み込むとラベルが見える仕組みで、包装をなくすアイデアなど、が提案された。
これらの提案を受け、ネスレ日本、ユニ・チャーム、キリンホールディングスの担当者がフィードバック。「プラスチックのリサイクルを難しくしている要因のひとつに、素材が統一されていないことが挙げられる」などと、実際の生産現場の状況を踏まえた意見もあった。
安全性や利便性との兼ね合いを調整しつつ、実現可能な取り組みを今後模索していく意思も表明した。
枝廣教授は「企業がパッケージレスに取り組んでも、消費者がその商品を購入するなどの行動をしなければ意味がない。消費者を巻き込まなければ」と、消費者の理解向上への課題を述べた。
これらを受け三沢は、「企業はプラスチック削減に向けて、生活者に届くような取り組みを試行錯誤し、とりあえず何か始めることが大切。また国はそういった企業を積極的に支援するべき」と締めくくった。