ビジネス

2022.06.02 16:05

全国各地でビジネスアイデアが続々! いま応援したいローカルイノベーター15選

オイカワデニム


工藤美佐男、工藤博|工藤|青森県八戸市

──廃タイヤを資源に変えるボイラーメーカー
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脱炭素化の観点から電気自動車(EV)化が進む自動車業界。しかし、車が走り続ければ、必ず廃棄されるものがある。タイヤだ。工藤はこの使用済み廃タイヤを資源ととらえたボイラーメーカー。自動車整備やバイクレースで培った独自理論と技術で大気汚染防止法の排ガス規制をクリアし、温水・蒸気をつくりだす、廃タイヤを燃料としたボイラーを製造販売している。

ホテルや浴場など温水を利用する施設や工場の暖房などに使われている。2017年には、国内初となる廃タイヤ利用のアルミ溶解装置「KH-AL5000」も開発。19年には蒸気による発電システムの実験を開始し実用化に向けて協議を進めている。次の目標は廃プラや未利用資材を用いたボイラーの開発だ。
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工藤美佐男◎1942年生まれ。63年、自動車販売・修理店(現・工藤)を創業。(写真左)
工藤 博◎工藤常務取締役。97年に父・美佐男が経営する家業の工藤に入社。(同右)

及川洋|オイカワデニム|宮城県気仙沼市

──メカジキの角やエゾシカの毛をジーンズへ

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国内外の大手ジーンズメーカーのOEM生産と「STUDIO ZERO」をはじめとする自社ブランドを手がける。東日本大震災をきっかけに地元の漁師と交流を始め、気仙沼が水揚げ日本一を誇るメカジキに素材として目を付けた。

食材にならず、年間30tが捨てられていた、角のように突き出た「吻」を粉末化して繊維に織り込むとともに、通常より綿の消費量を約40%抑えた「メカジキデニム」を開発。さらに素材への飽くなき研究は続き、現在は北海道で駆除されたエゾシカの毛を使ったジーンズも開発中だ。動物の命にかかわる地域の廃材を衣料として再生させるサステナブルな取り組みは、技術力の高さと相まって国内外で高く評価されている。

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及川 洋◎1973年生まれ。91年、気仙沼高校を卒業後、家業のオイカワデニム入社。企画やデザイン、営業を務め2004年に常務取締役、16年に代表取締役社長に就任。

辻晃一|みのシェアリング|岐阜県美濃市

──町を丸ごとシェアオフィス化

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機械抄き美濃和紙メーカー、丸重製紙企業組合の代表理事を務める辻晃一は、「美濃と和紙を元氣にする」を自身の使命に掲げて、古民家のリノベーションを手がけるまちづくり会社「みのまちや」や、地域電力会社「みの市民エネルギー」などの取り組みを実践してきた。

2021年、新たに立ち上げた「みのシェアリング」で始めたのが、まちごとシェアオフィス事業だ。その名の通り、美濃のうだつの上がる町並み全体をひとつのオフィスと見立てた日本初の試み。古民家を改装したコワーキングプレイスに加え、一帯にある地域の商店などとも連携し、ワーカーが自由な場所で働ける仕組みを構築した。リモートワークを推進する企業を主なターゲットとしてサービス展開している。

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辻 晃一◎1979年、岐阜県美濃市生まれ。2009年、家業の丸重製紙企業組合に入社。17年、同組合理事長就任。みの市民エネルギー、みのまちや、みのシェアリングの社長も兼任。

文=フォーブスジャパン編集部 イラストレーション=ジョン・デヴォル(フォリオアート)

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