ライフスタイル

2022.06.04 12:00

昔「慶應SFCのV6」、今「跡継ぎ仲間」。30年越しの友と語る家業のこと


お互い真逆のタイプ。 だからこそ自分なりのリーダー像を見いだすことができた。



つる・まさお1980年、東京都生まれ。慶應義塾大 学経済学部を卒業後、2005年にNOK入社。2009年にジョージタウン大学マクドノー経営大学院修士課程修了(MBA 取得)。経営企画室長や子会社代表などを経て、21年4月に代表取締役社長就任。

鶴 正雄:リュウ(近澤柳)とはタイプこそ全然違うけど、中学のときから気が合った。つるんでいた仲間6人は学内で「SFCのV6」と呼ばれていました(笑)。

当時、父が祖父の跡を継いでNOKの社長を務めていたので、ゆくゆくは自分が会社を継ぐという思いがあり、リーダーシップには興味をもっていました。

リュウは騎馬戦の大将タイプで、柔道部で活躍しながら生徒会の副会長もやり、みんなに愛されていた。対する自分は、体育祭ではイヤイヤ大玉転がしに出て、放課後は街に繰り出す。

圧倒的なリーダーシップで場を仕切るリュウとは逆のフォロワータイプだったので、彼がうらやましかったですね。

転機は大学時代。同級生とバス1台で出かけた2泊3日の旅で、リュウと私がリーダーとなって2チームに分かれることに。そこで自分は、ボトムから盛り上げていくやり方が性に合うと気づいたんです。結果的にチームがまとまって、こういうリーダーのスタイルもあるんだ、と。

私にとってのシグネチャー体験で、経営者となってからも、あのときの小さな自信やリュウの存在が生きています。

バックカントリーを始めてからは、八甲田山まで9時間の道中にいろいろ相談もしています。山ではまた一段、深い話ができるのもいいですね。


スノーボード派の鶴。山では、日常とは異なる体験や出会い、じっくり語り合う時間も魅力と語る。(写真/鶴提供)


大自然のなかで過ごすひと時は、社長業で多忙な鶴にとって、自分を見つめ直す貴重な時間でもある。(写真/鶴提供)


「エグゼクティブ異種交遊録」は、能動的に出会いを求めるアクティブな経営者たちを繋ぐ「場」と「機会」を提供するコミュニティ、Forbes JAPAN SALONの会員をつなぐ連載です。

文 = 松下久美 写真 = 若原瑞昌

この記事は 「Forbes JAPAN No.093 2022年月5号(2022/3/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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