日本のウェルビーイングのとらえ方。「個人に最適化された社会」へ

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また、社会におけるウェルビーイングの概念も注目されています。物理的な成長の追求から脱却する流れとともに、さまざまな活動において持続可能性が求められるようになり、それと並行して、長い時間軸で物事をとらえる宗教や文化があらためて注目されているのです。

日本だけでなく世界各地で活躍している臨済宗妙心寺派の松山大耕氏。同氏は、国内外の企業や団体から、ウェルビーイングやマインドフルネス、「生きがい」についての講演を依頼されることが多いと言います。

若者の意識が高まり、社会的な課題の解決に向けた社会活動や起業への積極的な動きを見ると、ここでも社会の幸福を生み出す努力がなされている事を実感します。社会の幸福度を高めるためには、社会保障、健康、保健などの政策分野を、官民連携のもと若者を巻き込み、見直していくことが必至なのです。

個人、組織、社会の中でウェルビーイングに対する意識が醸成されると、新しい事業や市場の形成、マインドセットの転換、社会的課題の新たな捉え方や解決策の提示などといった、新しい取り組みや価値観が不可欠になります。人々が安心して、自分のウェルビーイングを大切にできる社会こそが必要なのです。

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Makiko Eda, Chief Representative Officer, Japan, World Economic Forum Tokyo

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「ウェルビーイング」の実践

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