「私だって苦労したのだから、他の人も乗り越えられるはずだ」。そんなふうに考えることも、あるかもしれない。
働く環境が悪い場合には、自分が以前体験した辛い状況に同僚が陥っていることに気がついても、そうした同僚と、つい距離を置いてしまうかもしれない。けれども、そんなときこそ、あなたの経験が役に立つ。
自分の経験を生かして、同僚を支え、困難な状況におかれた他の人たちを助けるための、5つのステップを以下に紹介しよう。
1. 自分の経験を振り返る
かつて自分に起こったことを思い出そう。例えば、上司から倫理に反することをするよう頼まれて、難しい状況になったこと。あるいは、その気になれないのに同僚からしつこく言い寄られたせいで、キャリアアップのチャンスを逃したこと。
仕事仲間がいま経験している状況は、以前あなたが経験したとの同じくらい、心理的な苦痛を伴うものかもしれない。似た状況におかれたときに自分がどう感じたかを思い出すことで、同僚の気持ちを理解し、手を差し伸べようという意欲が湧くはずだ。
2. 「自分は何と言ってほしかったか」を考える
自分が困難を経験したとき、どんなふうに支えてもらいたかったか考えよう。周囲の人に、不適切な行動を指摘してほしかっただろうか? 問題を打ち明けられるような同僚が欲しかっただろうか? 自分がどんな形の支援を望んでいたかを振り返ることで、同僚の力になれる。
3. 自分の経験を共有する
いま困難を経験している人は、これまでにも同じような経験をして、同じような感情やストレスを抱えた人がいたことを知れば、気が楽になるだろう。
仕事仲間に、あなたの経験を共有しよう。相手はあなたのことをより良く知ることができるし、その過程で、あなたが困難な状況を乗り切ったことを称賛し、あなたが経験を他者のために役立てようとしていることに感謝を示すだろう。