ナイキが買収したRTFKTベンワ・パゴットが語るWeb3と日本への愛


村上隆とのコラボレーション


村上隆とRTFKTのコラボレーションNFT「CloneX」はリリースから半年ほど経っても常にOpenSeaマーケットプレイスの上位にランクインしている。日を追うごとに価値が高まるのがさすがである(このコラボレーションのきっかけの一つは昨年私が書いた記事であるという噂を耳にしたので、ベンワに確認してみたところ、その通りだよ、言ってくれているので嬉しい限りである)。

さて、このコラボレーションはどのように起きたのか? 聞いてみると「NFTのことは詳しくは理解していないが、ここに未来があると確信している」と村上隆は語り、RTFKTとのコラボレーションを進めたとベンワは語る。しかもNFTにとどまらず、5月11日から開催のニューヨークGAGOSIANでのIRL(実世界)での展示もコラボレーションが進んでいるので、単なるワンショットのコラボレーションの関係ではない強固な信頼関係が築かれていることを感じさせる。

この展示において、村上隆は現代アートとNFTアートの世界を結びつける作品に挑戦しているそうだが、「村上隆が作品としてNFTと現代アートを結びつける挑戦するように、私がGAGOSIANというアイコニックなギャラリーでやりたいことは、GAGOSIANがつながっている既存のアートコレクター達とRTFKTがつながっているファッション、音楽、NFT空間の人たちを合流させること」とベンワは語る。

普段は一堂に会することのないこれらのグループの、センスが良い人たちが繋がり新たな仕事が生み出されるエコシステム構築、人と人を繋ぐことが大好きなんだ、と。冒頭でポリネーターとしてのWeb3時代の活動についてのヒントをベンワからもらったというのはこの点である。

快進撃を続けるRTFKTベンワ・パゴットのモットー


ポリネーターの“SENSEI”としてのベンワが大切にしていることは何か? 最後に改めて聞いてみた。それは自分の「自信」を他人にもシェアしてあげることだ、という。ドラゴンボールの元気玉のようなイメージだよ、と元気玉を投げるジェスチャーを込めて教えてくれる。

そして、常に「アンダードッグ」として戦う姿勢を忘れないことも大事だと教えてくれた。既存の価値観でおかしいと思ったものには屈する必要ないし、自分が信じているもののために、戦い続けよう、と勇気をくれる。

また来年もインタビューするね!と約束し、ベンワへのインタビューを終えたあと、非常に清々しい爽快感と元気玉でメラメラするうちなるパッションを感じた。

Web3時代はこれから始まる。頼もしい“SENSEI”であるベンワ/RTFKTの活動に刺激をもらいつつ、自分を信じて戦い続けたいと思わせてくれるインタビューであった。

連載:ポリネーターが見る世界の景色
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文=西村真里子

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