ナイキが買収したRTFKTベンワ・パゴットが語るWeb3と日本への愛


日本人NFTアーティストの優位性


2月頃、ベンワのツイッターに「私は日本のアーティストが大好きで、彼らがNFTで非常に成功することを願っています」という日本語ツイートが流れてきて驚いた。その後、彼は日本のNFTアーティストをフォローし、作品を購入するという嬉しいアクションを起こしてくれたのである。

なぜわざわざ翻訳アプリを使ってでも日本語で発信し、日本のアーティスト、NFT作品を愛してくれているのか? 今回のインタビューで最も聞きたかったポイントである。

幼少の頃から日本のアニメを見て育ち、日本が大好きだという話は前回のインタビューでも紹介した。今回改めて6歳の時に大友克洋の「AKIRA」をみて衝撃を受けた話や、尊敬するヒーローを尋ねるとAphex Twin、村上隆、ゲームクリエイター宮崎英高を挙げ、日本のアニメやアーティストやクリエイターを尊敬していると改めて教えてくれた。

改めて日本のNFTアートシーンのどこが好きなのかと尋ねると、「表現方法がユニークで、一人ひとり異なる個性を発揮しているオリジナリティ溢れているのが好きだ」という。欧米では、猿で有名なBoard Ape Yacht Clubが成功するとキリンだ、しまうまだ、犬だ、などと動物を使った二番煎じの一攫千金を目指すものが多いのに対して、日本ではアーティストが丁寧に作った作品が非常にお手頃価格で手に入れられる点も評価していた。

RTFKT ベンワが愛する日本人NFTアーティストたち


ここから彼が気に入った日本人NFTアーティストとそれにまつわるエピソードをお伝えする

1. Kawaii girl Collage (Kazushi Collage NFT @kazushi_fujii_ )
超クールなピクセルカットアップの作品。とてもユニークなのに1作品20USドルほどで販売されていて、面白いし金額も安いので10作品購入。その後作品はソールドアウトにもなったそうだ。

2. 駕籠真太郎 (@shintarokago)
ホラーテイストと型破り(Bizarre)な作品を展開し、日本のアーティストのOGの一人なので、彼の作品が欲しいと思いオークションにて1100万円で落札。

3. 鴨川ゆか (@kamogawayuka)
ファッションメディアのHighsnobiety のインタビューの際に、鴨川ゆか氏にカバーイラストを担当してもらう。素晴らしい作品を手がける彼女がさらに多くの人に注目されるきっかけを提供したかった、という。
https://www.highsnobiety.com/p/rtfkt-interview/


他にも、あき(Acky Bright) (@aki001208)) / MITSUME (@3eyes_takahashi) / ケイゴイノウエ/KEIGO INOUE (@mushiki_k) 始め多くの日本人NFTアーティストを応援し、コレクターとなっていると教えてくれた。

彼が日本のNFTアーティストへの愛を語る際に、ツイッターを例に語ってくれたのも興味深い。ツイッターは日本から火が付き世界に広まったと言われているが、同じように、NFTでも日本が盛り上がることがNFTスペースの活性化につながると思っているようである。なので、クールなクリエイターがいたらフォローし、彼がフォローした人が「RTFKTのベントさん(ベンワ)にフォローされた!」とツイートし、さらに人気が出てきてくれることを喜ばしく思っているとのことである。
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文=西村真里子

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