メルカリが描く、パ・リーグ Exciting Moments「β」の先の未来

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──将来メルカリが「デジタルアセット交換」の場になるのを見越しているわけですね。これまで行ってこなかった、コンテンツの発行にはどう取り組んでいるのでしょうか?

2017年頃から、社内実験的に「Mercari X」というアプリを開発するなど、ブロックチェーン、暗号通貨の研究開発に取り組んでおり、技術面を含めたナレッジがありました。

販売シーンの企画制作は、そのプロであるパシフィックリーグマーケティングさんと一緒に進めています。

メルカリ社内限定アプリ「Mercari X」
メルカリ社内取引限定アプリ「Mercari X」

──先ほども少し挙げられましたが、コンテンツ用途以外のNFT、デジタルアセットの今後について、考えをもう少し聞かせてください。 

いろいろなことが考えられますよね。不動産売買をブロックチェーンに記録する検討も以前からありますし、最近は賃貸契約でのトライアルも始まっています。

家や車、ホテルの鍵などもNFT化されていて、デジタルウォレットに保存してデジタルキーとして使う例もたくさん出てきているんですよ。

そして、こういったさまざまな用途のNFTが組み合わさるとまた面白い。スポーツ領域でも斬新でダイナミックなアイデアの掛け算で、NFTの新たな活用法や楽しみ方を創出できるはずです。

このように可能性は無限大で、今後どのくらいの時間をかけてかはわかりませんが、少なくともキックオフはされていて、このまま行けば大きなゲームチェンジが起きるでしょう。

そうなった時にマーケットプレイスとしてフィジカルなアセット、デジタルなアセット、両方にしっかり対応していくことが大事だと考えています。

メルカリ、メルペイ、メルコイン

──先日メルコインが「暗号資産交換業」の登録を完了しましたね。

マーケットプレイスとしてデジタルアセットをカバーするなら、当然ビットコインといったクリプトアセットも扱えなければなりません。

そして、Web2とWeb3の間をつなぐ役割が必要だと。NFTや暗号資産を馴染みのあるものにして、「大衆化」していかなくてはいけないと思っています。

今、日本の暗号資産取引業者で開設されている口座数は、600万ぐらい。「メタマスク」のようなウォレットを持って暗号資産でNFTを売買している人は、その10分の1もいないでしょう。

大衆化のために不可欠なセキュリティ問題やマネー・ローンダリング対策、法令遵守にも取り組んでおり、誇れるような体制整備ができてきました。あらゆる面で市場の現状と将来像のギャップを埋めていくことに、力を注いでいきたいです。

メルカリ執行役員NFT担当、メルコイン取締役の伏見慎剛氏

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文=木崎伸也 画像提供=メルカリ 編集=宇藤智子

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