これまでは、外国からの出稼ぎ労働者がその穴を埋めてきたが、近年は米国へ出稼ぎにくる労働者の数が減少している。出稼ぎを希望する労働者は、季節農業労働者向けのH-2Aビザを取得しなければならないが、そのプロセスは非常に非効率的だ。
こうした問題を解決するため、Michael GuirguisとJordan Taylorは、働き手を必要とする農家と出稼ぎ労働者をマッチングするスタートアップの「Seso」を設立した。
Sesoは、これまで紙の書類で行っていた労働者の採用や給与処理などの業務をデジタル化した。「農家は農作業が本職であり、書類作成は得意でない」とGuirguisは話す。
Sesoは、出稼ぎ労働者のビザ申請の自動化や、従業員のデータベース、管理ツールを農家に提供し、複雑な文書作成業務を効率化している。同社は、2021年に5500人の農業労働者にH-2Aビザを発給した。
Sesoは、サービスのリリースから約1年が経った4月14日、Index Venturesが主導したシリーズAラウンドで2500万ドル(約32億円)を調達したと発表した。他には、Founders FundやNFX、K5 Venturesが参加した。
Sesoは2019年の設立で、現在の従業員数は35名だ。米国最大級の農家を含む77社が同社のサービスを利用している。南アフリカ産のダチョウを飼育する農家やユタ州の羊農家、ノースダコタ州のミツバチ農家などが同社のサービスを使って出稼ぎ労働者の採用と管理を行っている。
「H-2Aプログラムは、4つか5つの政府機関と連携する必要がある。あまりに複雑であり、制度として破綻している」とGurguisは話す。
Sesoは、メキシコにもスタッフを置いており、出稼ぎ労働者たちが安全に領事館に到着できるよう交通手段の手配も行っている。その結果、農場の人事部門は従来行っていた業務の70%を削減することができたという。
「これまで、労働者を農園に連れてくるまでの業務負担は非常に大きかった。リクルーターがいくつかのプラットフォームを介して労働者に接触することで、契約プロセスは大幅に軽減された」とB.T. Loftusの人事部でディレクターを務めるAlex Munozは話す。