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2022.05.07 07:00

出稼ぎ労働者を搾取から守るスタートアップSesoが32億円を調達


出稼ぎ労働者を搾取から守る


CEOを務める32歳のGurguisは、Sesoを設立する前、ホワイトハウスの国家経済会議で雇用と住宅に関する政策を立案していた。エジプト出身の両親を持つ彼は、スタンフォード大学で労働政策と経済学を学び、2011年に同校を卒業した。「私は、政策立案よりも、テクノロジーを使って雇用を創出することに情熱を持っており、いずれは労働者と雇用主をマッチングするマーケットプレイスを立ち上げようと考えていた」とGurguisは話す。

28歳のメキシコ人出稼ぎ労働者であるElizabeth Ortiz Zarateは、メキシコでは工業エンジニアとして働き、月収は450ドルだった。しかし、米国で季節労働者として働くと、月に3000ドルほど稼ぐことができ、その大半を母国に住む祖父母に送金しているという。

「不法入国は命を落とすリスクがあり、業者から恐喝されることもある。しかし、H-2Aプログラムならそうした危険がなく、合法的に賃金を得て、新しい技術を学ぶこともできる」と彼女は話した。

Sesoの料金は、利用するサービスによって異なるが、コンプライアンスソフトウェア料と申請料を合わせて5000ドルほどだ。Guirguisによると、2021年の売上高は300万ドルだったという。

出稼ぎ労働者は搾取にさらされやすい上、その多くが銀行口座を持たないため、農場は給与を小切手で支払わなければならない。Sesoは、労働者が給与の10%を送金手数料に支払う必要がなくなるよう、今回調達した資金を使って財務・給与計算機能を追加する予定だ。

編集=上田裕資

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