ビジネス

2022.04.14 16:30

いま、社長が最も口にする言葉とは? ビジネスにおけるバズワード


大賞 [社会課題]


多くの企業が、社会的価値や循環型社会など「社会+○○」という言葉を用いていた。中でも社会課題は最も多く使われる言葉の一つとなった。コロナ禍という時代の変化に対して今までの勝ち筋に頼る企業は淘汰される。社会課題を敏感に感じ取り、自らが変わることをいとわない姿勢が求められるからこそ、多くの企業がこの言葉を用いた。

The most popular 10 words


頻出ワードの上位から10の言葉を選出。実際に使用された発言と共に紹介する。

[成長]
社会的価値創造企業になるための“成長”エンジンはSDGsの取り組みであるべきだ。(凸版印刷)/将来的な企業の存続や“成長”を担保しなくては企業の責務を果たしているとは言えない。(伊藤忠商事)

[価値]
長きにわたり培い、継承されてきた技術立社としての信頼の大きさこそ会社の価値。(鹿島建設)/鉄道は技術開発を輸送サービスや業務運営の仕組みに反映して初めて事業としての価値を生む。(東海旅客鉄道)

[環境]
環境問題にいち早く取り組んできたがZ世代が消費や労働の中心となる2030年に向けてGX(Green Transformation)が事業戦略・活動の中心になってくる。(イオン)

[実現]
すべての人が自立し助け合うことで自分らしく暮らし続けられる社会。この共生社会の実現を目指す。(ユニ・チャーム)/地域社会に関係するグループ企業全体で幸せな暮らしの実現を。(京王電鉄)

[世界]
異業種とのオープンイノベーションにより世界中で建設事業と開発を営むユニークな会社に。(鹿島建設)/世界三極のなかでもっとも伸びしろがあるのはアジアであり、地政学的に有利なのは日本。(ユニ・チャーム)

[社員]
社員が家に帰って自分の会社を誇らしく語れるようにしたい。(SMC)/社員満足を原点とする正の循環。(セコム)/企業理念は最も苦しいときに寄り添えるもの。(伊藤忠商事)

[地域]
自社の地域での成長がその地域の豊かさに結びつく。(イオン)/未来につなぐ投資は、世界の地域・文化に根差して事業を展開する前提での投資でなければならない。(鹿島建設)

[日本]
日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する。(東海旅客鉄道)/日本初への挑戦の歴史が独創的なサービスに。(セコム)/日本一よい会社という理想にゴールはないが着実に前進している。(伊藤忠商事)

[長期]
目先の利益だけを追わず、長期的な視点からよい提案・仕事をすることで信頼を得る。(鹿島建設)/三法よし資本主義はすべてのステークホルダーが同じ方向を向き、長期的に成果を分かち合う姿勢。(伊藤忠商事)

[コロナ]
テレワークやネットサービスへのシフトなど合理的なものはコロナ禍収束後も残る。この変化を受け止め自らの力で経営を回復する。(東海旅客鉄道)/コロナ禍の社会変革も需要と捉える。(セコム)
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文=本田賢一郎、フォーブス ジャパン編集部 解析=サステナブル・ラボ

この記事は 「Forbes JAPAN No.089 2022年1月号(2021/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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