米Amazon社員が語る、アメリカ就職 Vol.1

左上:中里将久氏、右上:加瀨詩子氏、左下:横田頌子氏


竹崎:横田さんはいかがですか。アマゾンジャパンに入社して、なぜアメリカへ転籍したのでしょうか。

横田:私は中高大の一貫校に通っていたこともあり、受験する必要がなかったので、時間だけは豊富にあったんですね。そこで、高校生の時に約9カ月間、カナダへ交換留学をしました。そこで初めて具体的に海外で働くという選択肢が自分の中で生まれたんです。それまで、日本という社会でどうやって生きていくかを前提に人生やキャリアを考えていたので、海外が選択肢に入ることは大きな変化でしたね。

竹崎:すでに学生時代から、海外が視野に入っていたんですね。

横田:海外の自由な雰囲気も自分に合っていましたし、海外でも活躍できる人材になりたいという思いがあったので、大学卒業後はアマゾンジャパンに入社しました。

そこから当時のメンターの勧めもあり、海外で働くことをキャリアの中期目標に据えて、人生を逆算してみたんです。いつ結婚するかとか、いつ子どもを産むかとかというタイムラインを作ったら、30歳までに海外に行くというターゲットが見えてきたので、意識して海外チームと協業できるような仕事をしていました。

加瀨:そんな早い段階から将来を見据えたキャリアプランを立てていたなんて、すごいですね。

横田:キャリアプランとともに人生プランを立てるのはオススメです。当時、28歳で1人目を出産して、30歳で2人目を出産するというプランをたてていて、そのこと自体は忘れていたのですが、今振り返ってみるとその通りになっているんですよ。意図せず自分自身にプログラミングされているのだなと思いました。


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加瀨:やってみようと思います。

横田:その後、入社して3年半が経ったタイミングで、当時のマネージャーのサポートもありつつ、今働いている米本社のチームからのオファーをもらうこともでき、今に至ります。

私の場合は、あくまで海外で働くことが目標だったので、アメリカが良いというわけではなかったのですが、結果的に日本での経験や知識を活かせる仕事ができているので良かったです。

竹崎:中里さんはMBAをきっかけに渡米されていますが、なぜそこでアメリカでの就職を選んだのか教えてください。

中里:私はお二人と違って留学経験もないですし、英語もあまり上手ではなかったのですが、MBA留学のために妻と小さい娘と一緒にアメリカへ来たんですね。なので、基本的には修了したら日本に帰るつもりでいました。ところが、カリフォルニアで1年過ごしてみると、人も良いし街も良い。この先どうするかという話になった時に、妻の方から「アメリカに残ることを考えても良いんじゃない?」という後押しがあって、そこで初めて本格的にアメリカに残ることを考えました。

そこから真剣にアメリカで仕事を探し始めたわけですが、私が通っていたUCバークレーはベイエリアにあるので、みんなテック系の企業に行きたがるんです。なので、なんとなく私もその流れでテクノロジー業界を志望するようになりました。
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文=伊藤みさき 構成=竹崎孝二

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