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2022.04.08

韓国SKスクエア、半導体とブロックチェーンに16億ドル投資へ

Ki young / Shutterstock.com

韓国のSKグループの投資部門「SKスクエア」は、今後3年間で2兆ウォン(16億ドル)を半導体分野とブロックチェーン技術に投資する計画だ。

米国や日本などの「半導体市場の先進企業」への投資は、SKグループにとって優先順位の高いターゲットだと同社の広報担当者は述べている。SKスクエアは「小規模な会社から大規模な会社まで、世界の半導体バリューチェーンに属する会社を、投資対象に検討している」と3月28日の株主総会で発表した。

韓国のメディアは先日、SKスクエアのCEOでチップメーカーSKハイニックスの共同CEOである朴正浩が、戦略的投資家とコンソーシアムを組み、ソフトバンクから英国のチップ設計専門会社アームを買収することを検討していると報じていた。

ソフトバンクは、2016年に320億ドルで買収したアームを、米国のエヌビディアに売却する計画だったが、エヌビディアが当局から反トラスト法上の懸念の指摘を受けて断念していた。

11月にSKテレコムから独立したSKスクエアは、世界最大のメモリチップメーカーの1つであるSKハイニックスの筆頭株主だ。「SKスクエアには、SKテレコムの投資部門として、次世代半導体や情報通信技術に投資してきた歴史がある」と、台湾の独立系のハイテクセクターのアナリストのショーン・スーは述べている。

SKグループの最も成功した投資の1つが、SKハイニックスの買収だ。1983年にサムスン電子に対抗する現代グループの電機部門として始動した同社は、1996年に上場し、2001年に現代から独立した。

SKハイニックスは、その後の10年間で経営難に陥り、2012年にSKテレコムが同社の20.5%の株式を買い取り、社名にSKを追加した。同社は今では、サムスン電子に次ぐ韓国第2位のメモリーチップメーカーに成長した。

SKスクエアは、最近では2021年12月に韓国の暗号通貨取引所「コルビット」の株式35%を900億ウォン(約86億円)で取得した。この取引により、SKスクエアは韓国のゲーム大手ネクソンの持ち株会社のエヌエックスシー・コーポレーション(NXC)に次いで、コルビットの2番目の株主となった。

SKグループは、バイオテクノロジーや電気自動車用バッテリーへの投資も行っている。

編集/翻訳=上田裕資

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