具体的に、たとえば施工会社への支払い方法について言及しよう。
ここに、予算1億円の新築工事があったとする。
世間一般では、「着手金100万円、着工時に(全体コストの)3割、上棟時に(全体コストの)3割、竣工時に(全体コストの)4割」という「流れ」が確立されている。
だがこの支払い方法は、施工会社にとって実は「キャッシュアウト(赤字)」が発生してしまうケースもあるのだ。
なので筆者が推奨するのは、「施工会社が損をしない支払い方法を案件規模によって決める」ことだ。
筆者が経営する工事発注専門企業?の場合、たとえば先の予算1億円の事例は、「着手金100万円、着工時3割、上棟時3割、中間金2割、竣工時2割」とするようにアドバイスする。
一般的な流れだと、「竣工時に(全体コストの)4割」のところを、「中間金2割、竣工金2割」と分けているのだ。よって、上棟〜竣工時の4割の支払い期間に発生するキャッシュアウトを回避できる。
先の支払い方法は、建築業界では暗黙の支払い方法として当たり前となっており、支払い方法だが、施主から提案をしてくれる発注者だと、それだけで施工会社様の「やる気スイッチ」が入るのだ。
工事金額の高い安いはどう判断するか?
さて読者諸氏は、自身が取得された工事金額の見積を見た時に、高いのか、安いのかを判断できるだろうか?
工事費用には、材料単価、人工代、運搬代、リース代など、大量の工事費用が組み込まれている。
それらが「どこにどう含まれているのか」、「どう算出されているか」を読み取ることは、正直、プロでも見落とすほど難しい。
ではこれをどの様に判断出来る様にしていくかというと、「基準」を発注者様が作り上げていくのだ。
『建物の値段は頼み方で9割決まる - 劇的コストカットの「段取り力」と「魔法の言葉」』(掛川将著、2022年3月、ワニブックス刊)