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現世の先では何が待ち構えているのだろうか? まったく別の壮麗な場所に向かうのか、それとも産まれる前のように非実在という状態になるだけだろうか? 

人類は、種の誕生以来このような疑問を抱き続け、哲学、宗教、神話など、さまざまなものに答えを求めてきた。しかし、いうまでもないことだが、客観的で決定的な答えが存在する可能性があるとしたら、それはおそらく現代科学からもたらされるだろう。

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豪ディーキン大学に提供された女性の献体で


というわけで、デジタルメディア「VICE」は、科学者と一緒にこの問題について考えることにした。オーストラリアの神経学者であるキャメロン・ショー博士は、死の実体の諸説について死んだばかりのヒトの脳を解剖して検証したところ、驚くべき結論を導き出したのだ!

この研究は、科学への貢献としてディーキン大学に提供された女性の献体で行われた。


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ショー博士らは献体の脳を解剖し、死の瞬間にどのような現象があったのかを詳しく調べた。ヒトの脳は、何百万年もかけて重層的に発達し、ヒトの進化とともに複雑な構造が加わってきたという。脳の進化は、最も原始的な領域──大脳基底核──から始まった。ここは食欲や性欲、運動の調節など、種として生存を維持するのに必要な基本的な機能に関わっている。


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脳の「基底核」は最後まで抵抗する


次は海馬や側頭葉で、知性、情動に複雑さが増す。学習や記憶といった能力も獲得した。最も新しいものはヒトの脳の一番外側を覆っている大脳皮質(cerebral cortex)で、これは4つの領域から成り、道徳的な問題の判断や将来を見越して計画することなどをつかさどる、とショー博士は述べた。


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ショー博士は、脳の重層構造が重要なのは、脳もまた段階的に死ぬためだと説明する。我々に自分らしさや未来感覚などを与える外側の層は、10秒から20秒でまず死ぬ。次に、記憶やコミュニケーション能力を保持する脳の領域が死に、基底核は最後まで抵抗する。

つまり、脳死状態になったとしても、本当に最後の瞬間まで生命徴候を多少は保持している可能性があるのだ。たとえ植物状態であったとしても。ショー博士は次のように述べた。

「実際のところ、意識がないからとか、周囲を認識していないから死んでいるといえるのかもしれませんが、基底核構造が無傷の場合、呼吸もできるし、脈もあるんです」

もっと研究が行われて理解が進まなければ、死の謎を本当に解くことなどできないだろう。本当に「魂」のようなものが死後も存在するなら、以下が私のリアクションになるはずだ。

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(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から転載したものです)

翻訳=上林香織 編集=石井節子

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