キラキラネームが就職する時代の味方。「ふりがなハンコ」登場

(イラスト提供=シヤチハタ)

「男」と書いて「あだむ」、「心姫」と書いて「はあと」など、字面だけでは読むことが難しい人名「キラキラネーム」。初対面の人から正しく読まれることが少なく、キラキラネームの人の中には毎回訂正することにわずらわしさを感じている人もいるかもしれない。あるいは自分はキラキラネームではなくても、相手の名前を読み間違えてしまって空気を悪くしてしまった経験はないだろうか。

そうした名前を間違える不安を取り除く心強い味方「ふりがなハンコ」が登場し、注目を集めている。新しい配属先や取引先へのあいさつ回りで忙しい就職の春にぴったりの逸品だ。 

キラキラネームとは


(素材提供=シヤチハタ)

キラキラネームとは、2010年代に育児雑誌が「個性的」として取り上げた、新生児につけられた難読人名の総称。先述した名前のほかにも「紅葉(めいぷる)」「桃花(ぴんく)」など外国語やキャラクター名を当て字で表したり、漢字の音や訓を分解して無理に読ませたりする。2000年ごろにはすでにネット上などで話題になっていたが、雑誌で好意的に紹介されたことでブームが発生。わが子の名前を「かわいい音の響きにしたい」「かっこいい漢字にしたい」「縁起のいい画数にしたい」「漢字に深い意味を込めたい」といった親の願いから、独創的な名前の新生児が一時的に数を増やした。

キラキラネームには自分以外同じ名前の人物がほとんどいないため、名前を覚えてもらいやすいという利点がある。また、名前に込められた意味から親の愛情を感じやすく、特徴的な自分の名前を会話の糸口に活用することもできる。

だが、ふりがなや口頭での説明がなければ読むことができないため、初対面の話し相手を困惑させてしまったり、読み間違えた場合には毎回訂正したりと、自身の名前に苦労することも珍しくはない。

2020年代に入り、そうしたキラキラネームの人たちが就職などで社会進出するようになった。同僚や取引先とのコミュニケーションが増える中、上記のような悩みを抱える人の助けとなるのが「ふりがなハンコ」だ。
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文=アステル 編集=石井節子

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