長期の抗生物質使用が、高齢期に認知能力を低下させる可能性

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研究者らは、「平均7年後に実施した認知能力評価によって、中年期における(長期にわたる)抗生物質の使用と、その後の全体的な認知能力、学習および作業記憶、精神運動速度、集中力のスコア低下とのあいだに有意な関連性があることが観察された」と書いている。「抗生物質の使用が、(使用を中断してから数年経っても)腸内細菌叢に大きな影響を及ぼすことが過去の研究から示されていることを考えると、脳腸軸が、抗生物質と認知機能を結ぶメカニズムとなっている可能性がある」

2016年に米国神経学会(AAN)の学会誌「Neurology」に掲載された研究では、抗生物質が、幻覚や妄想につながる「せん妄」などの脳疾患に関連する可能性が高いことが示唆されている。

とはいえ、プロスワンに発表された新たな研究を実施した研究チームは、今回の研究の知見には限界があるとも述べている。この研究で使われた抗生物質データには、具体的な抗生物質の種類に関する情報は含まれていない。また、参加者の抗生物質使用歴は、使用から数年後の自己申告にもとづくため、データ分類の際に誤りが生じている可能性もある。

翻訳=ガリレオ

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