MLBは2020年、新型コロナウイルスの大流行を受けて試合数を削減。試合の大半を無観客で開催した。翌21年も7月まで、観客数を制限して試合を行った。流行が始まる前の2019年はMLB全体の営業利益(EBITDA、利払い・税引き・償却前利益)は15億ドルの黒字だった一方、20年と21年は2シーズンを合わせ、11億4000万ドルの赤字となっている。
だが、スポーツ・コンサルティング会社IEGのグローバル・マネージング・ディレクター、ピーター・ラーツは、NBAよりも試合時間などが長いことから、「MLBはNBA以上に、ユニフォームで稼ぐことができる」と述べている。
全体的なスポンサー収入が2017年以降、毎年6%程度の緩やかな伸び(IEG推計)にとどまってきたMLBにとっては、朗報といえるだろう。
以下、最新のランキングの上位10球団を紹介する(かっこ内は、前年との比較)。
2022年MLBチーム価値ランキング
以下、上位10球団のチーム価値を紹介する(かっこ内は、前年との比較)。
1位 ニューヨーク・ヤンキース:60億5000万ドル(+14%)
2位 ロサンゼルス・ドジャース:40億7500万ドル(+14%)
3位 ボストン・レッドソックス:39億ドル(+13%)
4位 シカゴ・カブス:38億ドル(+13%)
5位 サンフランシスコ・ジャイアンツ:35億ドル(+10%)
6位 ニューヨーク・メッツ:26億5000万ドル(+8%)
7位 セントルイス・カージナルス:24億5000万ドル(+9%)
8位 フィラデルフィア・フィリーズ:23億ドル(+12%)
9位 ロサンゼルス・エンゼルス:22億ドル(+9%)
10位 アトランタ・ブレーブス:21億ドル(+12%)
価値の評価方法
チームの価値は、収益のマルチプル(評価倍率)を用いて算出した企業価値(株主など所有者の持ち分の価値+純有利子負債)。マルチプルは大リーグと各球団のこれまでの取引実績や将来の経済状態に基づいて設定した。
総収入と営業利益(EBITDA)は2021年シーズンのキャッシュの出入り(発生主義ではない)を計算した。球団が所有するスポーツ放送局の株式や関連する損益は、企業価値や営業損益に含めていない。
また、情報はスポーツ金融の関係者や球団幹部、貸借契約書や公募債発行時の届け出などの公的文書、メディア権利の専門家などから取得している。
最新のMLBチーム価値ランキングは、こちらから確認することができる。