感染から発症までには大抵、数日がかかる。感染した人が「何かおかしい」と思うまでに、さらに時間がかかることもあるだろう。症状が現れてから検査を受け、診断が確定するまでには、さらにまた時間がかかる。
また、自宅で検査を行った人のうち、陽性の結果を公衆衛生当局に報告している人は、どのくらいいるだろうか? 確認した感染者を記録するスピードも、自治体や州によって異なるだろう。
米国では今のところ、再び感染者数、入院者数が増え始めているとの報告はない。だが、それはデータに反映されていないだけかもしれない。米国では適切な感染対策を行っていない人が多い上、ワクチン接種を受けていない人の割合も大きい。
CDCのデータによると、米国で2回のワクチン接種を受けた人の割合は65.2%となっている一方、3回目(ブースター)接種を受けた人は、44.2%にとどまっている。
さらに、オミクロン株の派生型で、感染力が最大で30%強まったとみられている「BA.2」も、広がり始めている。CDCが行ったゲノム解析では今のところ、米国で確認されるうちの約11.6%が、「ステルス(隠密)オミクロン」と呼ばれるこの派生型への感染となっている。
感染拡大を防ぐために導入してきた規制緩和の時期が早すぎれば、それは非常に厄介な状況を招くことになる。感染者数がまた増え始めたことは、すべての人への警告として捉えられるべきだ。