西側の世界的ブランドが大量脱出、ロシアの孤立深まる

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「ウクライナの人々がロシア政府から砲撃を受けているときに、マクドナルドがロシアの首都モスクワでビッグマックを提供できるだろうか?良いこととは思えない」
(ロシア事業の今後に関してマクドナルドに問い合わせたが、今のところ回答は得られていない)

人々は、一致してウクライナを支持している。そして企業に対して、ロシアを罰する意味でも関係を断つよう圧力を強める可能性がある。ウクライナ政府も、プレイステーションやXboxなどについて、ロシア市場での販売を中止することを求めている。

ロシア市場から撤退すれば、企業は何十億ドルもの売上高を失うことになる。だが、経済制裁によって消費者の財布が打撃を受けるとすれば、ロシア市場の魅力は、今後さらに薄れていくと考えられる。

都市部に住む裕福な層は高級品の購入を控え、その他の人々も、より安価な国内ブランドに目を向けるようになるかもしれない。また、ロシアは2014年にウクライナ南部のクリミアを併合したことによってすでに制裁を受けており、経済成長は停滞している。

コロンビア大学のアダム・トゥーズ教授(歴史学)は、ロシアは「中間所得層を失っている。だからこそ、ロシア事業を放棄しているのだ」と指摘する。教授によれば、多国籍企業や世界的ブランドの多くにとって、ロシアはその国際事業を推進するものではない。

つまり、これらの企業にとってロシアは、中国、またはベトナムのような国とは異なる。10年、20年後を見据え、「絶対に進出していなければならない」というほど魅力ある市場ではないのだという。

編集=木内涼子

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