経済・社会

2022.03.02 06:00

米世論調査、経済への懸念が公衆衛生への懸念を上回る


全米各地でマスクの着用義務が解除されるなか、世論調査に応じた人の半数強となる51%は「常時マスクを着用している」と回答したが、感染者数がまだ多かった2022年1月半ばの60%と比べると減少した。「ときどきマスクを着用している」と回答した人は25%だった。

ポリティコとモーニング・コンサルトが2022年2月12日から13日にかけて共同実施した世論調査では、「州政府がマスク着用義務化を解除するのは早すぎる」と回答した人は43%と、最も多かった。

変異株別に尋ねたところ、デルタ株(68%)に対する不安が、オミクロン株(66%)に対する不安を上回った。とはいえ、米疾病予防管理センター(CDC)の推定では、2022年2月12日以降に米国で確認された新規感染者は全員がオミクロン株で、デルタ株の感染者はひとりもいない。

全米では、12月と1月にオミクロン株の感染が急拡大したものの、それ以降は、新規感染者と入院者数、死亡者数が減少傾向にある。1日の平均感染者数は、1月半ばには80万人近くに上っていたが、現在は8万人を切っている。

感染者数の減少を機に、州や都市、企業は、マスクの着用義務や、ワクチン接種証明書の提示などのコロナ関連措置を取りやめ始めた。屋内でのマスク着用がいまも義務付けられているのはハワイ州のみで、解除の予定はまだない。

パンデミック3年目を迎えようとしている米国では、州知事などから、新型コロナウイルスを「エンデミック(特定の地域で感染症が普段から繰り返される状態)」として扱おうと呼びかける声が続々とあがっている。米国は「コロナとの共生」を学ぶべきであり、コロナに日常生活を乱されてはならないという主張だ。

しかし公衆衛生専門家は、新型コロナウイルス感染症をエンデミックとして扱うのは時期尚早だと述べ、たとえエンデミックに移行しても、感染状況が再び悪化してパンデミックに逆戻りする可能性があると警告している。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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