経済・社会

2022.03.02 06:00

米世論調査、経済への懸念が公衆衛生への懸念を上回る

Joe Raedle/Getty Images

米調査会社モーニング・コンサルトによる米国の世論調査によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、経済への影響を懸念する有権者のほうが、公衆衛生への影響を懸念する有権者より多くなったことが明らかになった。これは、パンデミックが始まって以来、初めてのことだ。感染者数が減少傾向にあるなかで、新型コロナウイルス感染症を公衆衛生への深刻なリスクだととらえる人が減ってきていることを示している。

この世論調査では、新型コロナウイルス感染症について、「経済への影響を懸念する気持ちのほうが強い」と答えた人は50%に上った。これに対して、「公衆衛生への影響を懸念する気持ちのほうが強い」と答えた人は43%だった。

党派別で見ると、経済への影響のほうをより懸念する人は、民主党支持者の33%、無党派層の52%、共和党支持者の68%で、いずれもパンデミック下で過去最高となった。

新型コロナウイルスは現在、「自分が暮らす地元の社会において、深刻な健康上のリスク」となっていると回答した人は、全体の23%にとどまった。民主党支持者の中でそう回答した人は27%だったが、これは2021年7月以来で最低水準だ。

オミクロン株について、「非常に懸念している」あるいは「かなり懸念している」と回答した人は66%と、いまだに半数を超えているものの、75%だった2022年1月初旬の調査と比べれば減少している。一方、新型コロナウイルスの感染拡大を「非常に懸念している」と回答した人は37%にとどまった。

米国では新型コロナウイルス感染症に対する不安が根強く残り、外出を避けている人はいまも多い。「レストランで食事することに抵抗がない」と答えた人は68%どまりだ。

公共の場に足を運ぶことに抵抗はないと答えた割合は、ショッピングモールが65%、映画館が53%、遊園地が48%、国内線航空機の利用が45%、スポーツイベントが44%、コンサートが43%だった。

しかし、こうした割合は徐々に増えている。スポーツイベント、国内線航空機の利用、レストランでの食事に抵抗がないと答えた人の割合は、オミクロン株が発生する前の2021年秋と同水準まで回復した。また、「映画館に行くことに抵抗がない」と答えた人は、2021年7月以来で最高となった。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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