30U30

2022.02.26

ドラえもんの実現を目指す研究者が、「偏差値50」の大学を選んだ理由

開発中のロボットを手にする大澤正彦


──今後の展望は。

ドラえもんプロジェクト完了の目標は2044年。スタートした2014年から30年のプロジェクトだとするならば、現在は4分の1ほど進んだところです。

「ドラえもん」をつくりたいけれど、誰にも言えずに一人でふて腐れていた頃から始まって、2022年までの第1クオーターでは、ドラえもん研究のロードマップを立てて、どうすればドラえもんをつくることができるかの仮説を得ることができました。その後大学の教員になりRINGSという新しい組織を立ち上げて、ドラえもんをつくる拠点と、ドラえもんを一緒につくる世界中の仲間ができました。

そこで、第2クオーターでは研究に集中できる体制を整えていきたいです。ラスト2クオーターで、全力でドラえもんをつくりきろうと思っています。



そして、このドラえもんプロジェクトが完了したら、潔く研究者を引退したいですね。夢は児童養護施設のおじいちゃんになること。

僕の子ども時代は「絶対にドラえもんをつくる!」と他人に言っても馬鹿にされて、誰も認めてくれなかった。そのふてくされた子どもの自分に「ほらできたでしょ」ってカッコつけて言いたいという思いが根底にあります。

それは昔の自分だけじゃなくて、世界中にいる子供たちに対してもそうなんです。「大人に認めてもらえない」「愛してもらえてない」そういう子どもたちがもしまだいるのなら、安心して自分の夢を追いかけて自分らしく生きていける場所を提供できたらいいなと思っています。



*大澤さんは、2月27日(日)午前11時45分〜放送のテレビ朝日『発進!ミライクリエイター』に出演予定。

文=堤美佳子 取材・編集=田中友梨 撮影=小田光二

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