本当の旨味がわかる舌にするための食育
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次に、加工肉について触れていこうと思います。ウインナーやハムなどに代表される加工肉は、もちろん食べ過ぎてはいけません。これは医学の世界では常識で、塩分が多いことなどがデータで証明されているうえに食べ過ぎると大腸ガンのリスクが高まるというエビデンスもたくさん存在しています。
ただし、朝の食卓にハムが並んだり、お弁当にちょこっとウィンナーが入っていたりなど、加工肉が食卓のメインになりづらい日本人の食生活を考えると、そこまで気を張って注意しなくてもいいと思います。ソーセージなどを主食として食べるドイツ人の食生活と比べると、そこまでのリスクはないはずです。
しかし、ここからが本題。ハムやウィンナーよりも注意しなければならないのがファストフード店やコンビニに並ぶジャンクフードです。聞けば、「ファストフード店の新作バーガーが無性に食べたい」「コンビニに行くとつい唐揚げを買ってしまう」など、ジャンクフードに侵されている方は多いよう。私からすれば、これは信じられない事態です。ストイックにしているわけでも、我慢しているわけでもないのですが、私はそもそもジャンクフードにはおいしさをあまり感じないのです。
ジャンクフードをおいしいと感じてしまうと、舌がその刺激的な味を旨味として認識してしまいます。これはとても危険なこと。今、ジャンクフードが好きな方は、食べる量を徐々に減らす努力をすることをおすすめします。少しずつ刺激の強いものをなくしていき、「おいしい」という味覚を正常に戻しましょう。本当のうまみをわかっていれば、ジャンクフードにはそこまでおいしさを感じないはずです。
また、特に子育て中の方はジャンクフードとの付き合い方を見直してほうがいいと思います。小児期の食は、のちの味覚に大きな影響を与えます。ジャンクフードが日常化すると、その味がおいしいものと認識され、この先ずっとそのおかしな味覚を持つことになってしまうでしょう。
「食卓に必ずジュースがある」「週に一度はファストフード店のハンバーガーを食べにいく」などの食習慣の日常化すると、子どもは本当のうまみを感じることができなくなります。正しい味覚、うまみを感じるように育てるためにやはり“食育”は大切。本当の食べ物のうまみを知るべきですし、ジャンクなものをおいしいと感じないほうが幸せだと思うのです。
今回はお肉に関する新常識についてお話させていただきました。もしかしたら、怖がらせてしまったかもしれません。でも、今日ここまで読んでくださったみなさんは、“正しいお肉の知識”を取り入れたのも同然。これを機に一度立ち止まり、食生活をぜひ見直してみてください。それこそが、きれいへ近道となるのです。
『やめる美容』(友利新著、光文社刊)