ビジネス

2022.02.22

「サムい、痛い、眠い」企画会議を天才集団に変える方法

企画会議、つらいなーと思うことがある。

1. 寒い系──あたかも流行の先取りのように言われても、それは1年前からみんな知っている周回遅れ型。
2. 痛い系──「俺が俺が」「私が私が」と自分がやりたいことを押しつけ、世間が求めるものは眼中にない視界狭い型。
3. 眠い系──ネットでググっただけで人の「声」に触れてない「心に刺さらない」型。

かくいう私も2の「これは絶対に面白い」と一人で盛り上がったネタは99%の確率で外してきた三振王の実績がある。そのうえ、会議で「その話、10回くらい聞きました」と冷たい言葉を浴びせられ、世界でいちばん寒いのは自分ではないかと自信を喪失する。誰も喋らない、反応しない、会議室をひんやりとした墓場にしている張本人は私ではないかと思えてくる。

この暗黒会議を変えるアイデアに遭遇した。20代向けの「104コンソーシアム」で開かれたワークショップに立ち会ったときだ。ちなみに、104と書いて投資と読む。このワークショップが始まる前から「100%面白くなる」と確信した理由がある。この日の後半に「ミラクルワードカード」が登場することになっていたからだ。



私が初めて「ミラクルワードカード」を見たのは2017年だった。

この時、日本能率協会が主催するマーケティング総合大会で、ワークショップのモデレーターを担当することになった。会が始まる前、大手企業の新規事業担当の若者が挙手をして、深刻な表情で私に質問をした。「イノベーションを起こすためには人から言葉を引き出すことから始めなければならないと本に書いてあったのですが、どうやって引き出していいのかがわかりません」。イノベーションの呪いが各企業で若者を深刻な表情にさせているのか。そう思ったのだが、それが一時間のワークショップを終えた時、大きく変わった。

会場からは笑い声が絶えず、誰かが発表するたびに「おおお」というどよめきが起きる。思わず私はマイクを手にこう言っていた。「みなさん、天才ですよ!」。こんなに楽しい企画会議は初めてだった。それがミラクルワードカードを使った会議だった。
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文=藤吉雅春

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