──以前、鳥巣さんと難病のALS患者の方々の悩みを集めて、カードで解決のヒントを探るワークショップをやったときは、「旅するALS」という言葉が誕生し、VR技術を使って患者さんに「旅」を体験してもらうというアイデアが出るなど、いろいろな使いみちがあると感じました。企画やアイデアを出すのが苦手と言う人たちに、コツを教えて下さい。
大山:鳥巣くんとよく話しているのは、「アイデアは才能ではなく、技術」です。料理をつくったり、自転車に乗ったりするのと同じで、アイデアを出すのは能力によるものではなく、「やり方」なのです。料理をするのにシェフになる必要はないですよね。肉をどう焼くか、ノウハウを知れば、料理は楽しくなる。それと同じです。
さて、「104コンソーシアム」に大山&鳥巣の2人が呼ばれた。投資といっても、株式投資だけではなく、いろんなかたちの「無形の投資」がある。「1000年に一度の__」「頑固親父の__」「ファイナル__」「__担当大臣」「進化する__」などカードをグループで引いては組み合わせた言葉から連想ゲームをしていく。「1000年に一度の投資」は南海トラフ地震に備えて、どこに何を投資したらよいかといった具合にアイデアが連想ゲームのように続く。やはり、みんなで楽しい雰囲気で会議はやるべきであり、アイデアは楽しさから生まれる。
私がもっとも気に入ったのは「ファイナル投資」である。人生の最後に世の中のために役立つ投資をするとしたら何にするだろう。ふと自分の人生を振り返る。自分がこの世に生きた証として何を残すか。「私とは何か」が問われる気がして、一生をかけて考えたいアイデアかもしれない。そう思うと、ある意味、ヒトの人生そのものが「企画出し」なのかもしれない。
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