「ボールで遊んではいけません」「ここで騒がないで」「お手を触れないでください」
最近、どこへ行っても「NO」だらけ。もちろん守らなければいけないルールはあるのですが、それが多すぎると、なんだか窮屈に感じませんか?今回は、先日訪れたとある場所で聞いた話をきっかけに、窮屈なルールをポジティブに転換するコンセプトを考えてみました。
キャラものの筆箱から学んだこと
先日、三人の子どもを育てる友人から、子どもが通っている小学校の面白い教育方針の話を聞きました。その友人の話では、最近「トラブル防止」という名目で、キャラものの筆箱をもってくることがいろいろな学校で禁止になっているのだとか。そんななか、友人の子どもの担任はそれをOKにしているといいます。そこで、友人が先生に「なんでこのクラスだけOKにしているんですか?」という質問をしたところ、「ルールで縛りすぎたくない。逆にルールを破る子がいるくらい余裕があるほうが、子どもたちが安定している」と話されたそうなのです。その話を聞いて、私はハッとさせられました。
ルールは時に人を縛りすぎて、萎縮させてしまうことがあります。これがダメなら、あれもダメかも。ネガティブなルールは次々と連鎖して、「ダメかもしれない可能性」を想像させ、人を動けなくさせてしまう。NOの力はとても強力で、その短い一言が想像以上に多くのものを奪っていきます。
例えば、先ほどの「キャラものの筆箱」に代表されるように、トラブルが起こるかもしれないからNOという、グレーゾーンをすべて黒にしてしまうネガティブなルールのつくり方は、トラブルを起こさない人たちが享受できたはずの喜びや、想像力を奪ってしまっているのではないでしょうか。
では、そんなNOを、まるでオセロをひっくり返すように転換してみると、いままで抑圧されてきた人たちから、もっと創造的でポジティブなアイデアが生まれてくるかもしれません。そんな逆転の発想から生まれたコンセプトが、過剰なNOをなくしてみる『NO“NO”法』です。