「マインドフルなリーダー」に欠かせない5つの資質

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調査会社ギャラップによると、ここ10年というもの、ストレスや不安、悲しみは、世界的にみて増加傾向にある。当然のことながら、2020年にはそうした精神状態にある人が記録的な数に達した。次いで、2021年3月には米疾病予防管理センター(CDC)が、米国に住む成人の41.5%が不安やうつの症状を示していると発表した。

幸いにも、企業の多くが、こうした芳しくない傾向に対応するため、職場におけるマインドフルネスを重視しようとしている。とはいえ、マインドフルネスとはいったい何なのか。マインドフルネスは、燃え尽きてしまった感覚を和らげてくれるのだろうか。

「Mindful.org」は、マインドフルネスの定義として、「今、この瞬間に集中し、自分がどこで何をしているのかを意識して、周囲で起きていることに過度に反応したり圧倒されたりしないようにする、人間に備わった基本的な能力」だとしている。

職場でのマインドフルネスを高めようと取り組んでいるグループのひとつが、リンクトインやグーグル、インテルなどの企業から集まったリーダーたちで構成されたグループ「Mindful Workplace Alliance(MWA)」だ。マインドフルネスの重視による成果は企業によってさまざまだが、良好な成果が得られているのは紛れもない事実だ。

たとえば、リンクトインでは高いスキルを持った求職者が増加し、インテルでは従業員のウェルビーイング(心身の幸福)が向上した。また、企業向けソフトウェア企業SAPの最高マインドフルネス責任者を務めるピーター・ボステルマン(Peter Bostelmann)によると、同社は投資利益率(ROI)が200%上昇したほか、マインドフルネスのトレーニング実施後には従業員エンゲージメントとリーダーシップへの信頼感が向上し、欠勤率が減少したという。

職場でマインドフルネスを重視すれば、目に見えて効果が得られる。しかし、マインドフルネスのプログラムをうまく実施するには、それに真剣に取り組むリーダーの存在が必要だ。リーダーシップ・コンサルタントのケレン・ツク(Keren Tsuk)は、新著『Mindfully Wise Leadership(マインドフルで賢明なリーダーシップ)』で、マインドフルなリーダーに不可欠な5つの資質を説明している。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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