航空機の所有者は、「LADD」と呼ばれるプログラムを通し、FAAのシステムで共有される航空機データを制限するよう、FAAに要請する。しかしNBAAによると、LADDはFAAのシステムを通したデータの利用にしか対応していないため、第三者は「放送型自動従属監視(ADS-B)」技術を使い送信される情報を直接傍受することで、航空機の位置を知ることができる。
この抜け穴を埋めるため、FAAは「プライバシーICAOアドレス(PIA)」と呼ばれるプログラムを用意。これにより、ジェット機の所有者は民間航空登録簿で特定の運航者に登録されていない仮アドレスを使うことができる。NBAAは運航者に対し、最高水準のプライバシーを確保するため、LADDとPIAのプログラムの両方に参加するよう推奨している。
しかしスウィーニーはフォーブスに対し、自分が使っているADS-Bエクスチェンジ(ADS-B Exchange)などの情報源は、FAAのフィードを用いていないものであり、自分の行為を止める手段はないと語る。自分が追跡するプライベートジェット所有主の中で、法的措置に出る構えを見せている人はいないという。
マスクとのやりとりでは5万ドルを要求したスウィーニーだが、追跡しているほかの人のアカウントについては、閉鎖と見返りに金銭を請求する予定はないと語っている。現在はグッズの売り上げや寄付、アクセス数に応じた広告収入を得ている。
自分のデータが犯罪などの目的で使用された場合、民事責任を問われることを懸念していないかとの質問に対しスウィーニーは、追跡情報の公開を24時間遅らせることを検討していると返答。さらに、「閉鎖の可能性も考えている」と述べた。今回注目を浴びたことにより、仕事のオファーが複数寄せられたが、いずれも受けていないという。