国際線エコノミークラスの機内食140万食以上を完売
昨年4月に第一報を届けたときには「30万食以上」であった機内食通販の販売数は、同年11月末時点で126万食を突破した。
国際線エコノミークラスの機内食販売は、3種類のメインディッシュを各4食で計12食1セット9000円を基本としている。だが、「ビーフハンバーグステーキ ロコモコ風」「ハンバーグドリア デミグラスソース」といった4種類のハンバーグが3食ずつセットになった「ハンバーグ・フェス」など、そのときのコンセプトに応じて4種×3食、6種×2食が1セットになることもあるという。
累計販売数が100万食を突破したときには、記念に、それまでに登場したメニューを詰め合わせた12種×1食のセットを売り出し、ただちに完売。メニューや組み合わせをそのときどきで変えたり、「南国波乗りセット」「ブランチセット」「肉の感謝祭」のようにユニークなセット名をつけたり、「飽きない非日常」であり続ける工夫が成功の理由かもしれない。
ANA機内食ごっこセット
非日常を演出する一助として、販売されるたびに即日完売するセットがある。「ANA機内食ごっこセット」だ。国際線エコノミークラス機内食8食に国際線エコノミークラスの食器などを含むトレーセットが2セットついて9800円となっている。
現在は売り切れで購入することができないが、過去3回販売していずれも大好評であったため、2月または3月での再販売に向けて準備中という。
(写真提供=ANA)
(素材提供=ANA)
機内ごっこセットが手に入らない場合でも、「ANAオリジナルビーフコンソメスープ」(20袋・5000円)や「ANAオリジナル香るかぼすジュース」(1L×6本・2700円)、各種ワインなど機内で提供されるドリンクや備品などは随時販売されているため、本格的なごっこ遊びを楽しむことは可能だ。
過去に販売のあった大人サイズのレプリカCAエプロンは現在販売していないが、子ども用のエプロンとリボンタイがセットになった「ANAなりきりCAエプロン」(4000円)は販売している。親子で「CAとお客さま」ごっこを楽しめる。
国際線ビジネスクラスの機内食も販売開始
エコノミークラス機内食販売の好評と顧客からの要望をうけて、ANA国際線ビジネスクラスの機内食販売もスタートした。
「ANAビジネスクラス機内食 ハンバーグステーキセット」は、ANA総料理長が開発したジューシーなハンバーグステーキをメインに、オリジナルブレッド3種、フランボワーズをベースとしたデザートのセットとなっている。
二人前セットで1万円と値段は少々はるが、いずれもANAの国際線ビジネスクラスで実際に提供されたことのあるメニューだ。
筆者は実食の機会を得たが、ハンバーグの重厚な肉感、ソースのコク、オーブン加熱で楽しめるパンの「焼き立て」感には「なかなか乗れないビジネスクラス」の説得力があった。より強い「非日常感」を味覚から味わうひとつの方法ではあるかもしれない。
(写真提供=ANA)
筆者自宅にて
非日常が楽しめる日常が戻るまで
長引くコロナ禍の影響で、旅行や少し贅沢な外食など非日常を楽しむ機会はめっきり減った。コロナ禍がいつ終わりを告げて日常が戻ってくるのか、果たしてコロナ禍が明けたところで以前の日常が戻ってくるのかは未知数といえる。
フライト需要が戻るような日々が早く来ることが望ましいが、航空業界はその日を指をくわえて待っているわけにはいかないだろう。航空会社各社の航空事業を守りつつ非航空事業を育てていく戦いはまだまだ続いていく。