子どものワクチン接種、対象年齢の拡大とブースターを急ぐべき理由

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新型コロナウイルスのパンデミックの初期段階では、子どもは感染しても多くが軽症で、症状はインフルエンザ程度にとどまるとされていた。だが、すでに優勢となった新たな変異株、オミクロン株はこれまでに出現した変異株とは異なるその特性により、小児・乳幼児の感染と入院を前例のないスピードで急増させている。

回復して退院した場合でも、子どもたちの入院が家族にかける負担は大きい。親たちは多くの場合、入院した子どものために仕事を休むことになり、それは精神的にも経済的にも、大きなストレス要因となる。

各地で感染や濃厚接触により自宅待機する人が増加し、子どもの間での感染拡大によって閉鎖する学校も増えるなか、授業が対面ではなくオンラインに切り替えられることになれば、親たちもそれに合わせて、予定を変更しなくてはならない。

だが、こうした状況のなかでも、柔軟な働き方が認められている親は、非常に少ない。感染者の大幅な増加は、社会システムの混乱にもつながっている。同時に親たちは自分自身が感染することを恐れる一方で、学校は子どもにとって感染のリスクを冒してまで通わせるべきものなのかどうかについて、考えさせられている。

パンデミック発生以降、これまでに感染の波から学べることは、新たな株は感染者の死亡率を高めることはなくても、感染力を強め、入院者を増やすということだ。オミクロン株のように特に感染力が強い変異株が流行すれば、ワクチン未接種の人が感染し、重症化したりする危険性はさらに高まる。

結果として病院は未接種の感染者で満床となり、その他の重症疾患や大けがで入院が必要となる人たちを受け入れることができなくなる。パンデミックが続くなかでまた新たな年を迎えた今、感染による入院者数を減らすことは、最優先課題のひとつだ。

そのためにも、重症化のリスクが高い子どもたちのより多くに、ワクチンを接種してもらうことは特に重要だといえるだろう。
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編集=木内涼子

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