デビッド・ベネットという名前の男性は7日、ボルチモアのメリーランド大学メディカル・センターで、少なくとも7時間を要する手術を受けたと報じられている。豚の心臓は、免疫拒絶が起きないよう遺伝子操作が加えられており、手術から3日が経過した今、ベネットは順調に回復しているという。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、ベネットは手術前から心肺バイパス装置に接続されているが、臓器移植から48時間を過ぎても経過は順調で、安定した状態にあるという。
UMSOMによると、ベネットは今回の手術以外に助かる手段がない状態だったという。米食品医薬品局(FDA)は、昨年末にこの手術に緊急許可を与えていた。
UMSOMによると、ベネットは手術の前日に「私は生きたい。どんな結果になる分からないが、これが最後の選択だ」と話したという。
医学界では、以前からブタを人間の臓器移植手術に用いる研究が進んでおり、10月にはニューヨーク大学ランゴーン医療センターの外科医らが、ブタの腎臓を試験的にヒトに移植することに成功していた。
ブタは半年で大人の大きさに成長し、その心臓弁がすでに人間に移植されていることから、将来的に臓器移植手術での利用が広がると考えらている。