犬を飼うことで、パンデミックのうつや不安が軽減する

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研究者たちは、犬を飼っている人753人と、犬と暮らしたいと思っているがまだ飼うには至っていない人752人を対象に、オンライン調査を実施した。そして、有効性が認められた6種類の心理測定尺度を用いて、参加者の評価を行った。

たとえば、ペットに対する態度の好ましさを測定したり、ペットのために飼い主がどのくらいの時間や労力、お金をかけたいと考えているかを評価したりした。また、友人や家族、パートナーから、どのくらいサポートを得られているのかを自己評価してもらう調査も行われた。

次に、参加者が感じているうつや不安、幸福のレベルを測定した。2020年11月のひと月で、健康への影響があったと回答した参加者は33%で、経済的にも影響を受けたと回答した人は45%だった。それに対して、感情面で多少なりとも影響を受けたと回答した人は67%だった。

この研究では、犬を飼っている人のほうが、犬を飼いたいと考えている人よりも、うつの知覚スコアが低かったことが明らかになった。不安の知覚スコアについても、犬を飼っている人のほうが、「犬を飼いたいと考えている人」で、なおかつ周囲からのサポートが同レベルの人と比べて低かった。また、犬を飼っている人の幸福スコアは、対照群より高い結果となった。

「得られた結果を総合すると、犬を飼うことで、人は社会的な支えをより多く得られていると感じる可能性が高いことが示された。つまり、犬の存在が、パンデミックに起因するマイナスの心理的影響を和らげるのに役立った可能性があったということだ」と研究者たちは述べている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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