米国で子どものオミクロン株感染と入院が急増 特有のリスクが拡大

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米国では新型コロナウイルス感染症で入院する子どもが急増、過去最多を更新し続けている。未成年者は特にワクチン接種率が低いこと、優勢になった変異株の「オミクロン株」の感染力が非常に強いことが主因とみられ、専門家らの間では、こうした状況が続くことへの警戒感が高まっている。

米疾病対策センター(CDC)によると、1月2日までの1週間には、前週の2倍以上にあたる1日あたり平均672人の子どもがCovid-19で入院。米国小児科学会によれば、国内の未成年の感染者数も最多を更新しており、12月30日までの1週間に確認された人数は、前週から64%増加していた。

専門家らは、子どもの入院者数の増加は、オミクロン株が感染者を重症化させやすいためではなく、感染者数が急増していることに伴うものとみている(初期の調査結果から、オミクロン株は重症化リスクがその他の変異株より低いとみられている)。

子どもの感染者が急増していることについてCDCが原因として挙げているのは、オミクロン株は感染力がより強いこと(デルタ株のおよそ3倍とされる)、過去の感染やワクチン接種によって得た免疫をより効率的に回避することなどだ。

子どもへのリスクが増大


子どもたちは、新型コロナウイルスにより感染しやすい状況に置かれるようになったといえる。ワクチン未接種の人の割合が最も高いのは、未成年だ。接種可能な年齢の子どもたちでも接種率はその他の年齢層より低く、5歳未満は接種を受けることができない。

米ジョンズ・ホプキンス大学の健康安全保障センターのシニアスカラー、アメシュ・アダルジャ医師はフォーブスの取材に対し、「国内で最もワクチン接種率が低いグループ」である子供たちの間で「感染者数、入院者数が増えるのは、驚くべきことではない」と述べている。

オミクロン株感染の特徴


オミクロン株、そして子どもがこの変異株に感染した場合に受ける影響については、まだ明らかになっていないことが多い。だが、新型コロナウイルスのその他の変異株にはない特徴のために、オミクロン株は感染した子どもたちに、合併症を引き起こしやすくなったと考えられている。
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編集=木内涼子

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