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科学と医薬を担当。21世紀は生物学の世紀であると信じている

ronstik / Bigstock



健康増進のためにビタミンを摂る人の数は限りなく多い。しかし、科学的データによると、サプリメントなどでビタミン補給をしたところで、それは意味のないことであったり、むしろ弊害となるかも知れないのだ。

実際、ベータカロチンやビタミンEやAなどのサプリメントは死亡率を上昇させる可能性があるという。心臓病に良いとされるフィッシュオイルなど、その他有望と思われるサプリについてもその「神話」は崩壊しつつある。結局のところ、体のためには健康的な食生活が一番なのかも知れない。

とはいうものの、ビタミンが全く健康増進のプラスにならないという訳ではない。直近の研究成果で、驚くべき結果が明らかになった。皮膚ガンの症状を持つ患者の場合、ビタミンB3の一種であるニコチンアミドが非黒色腫皮膚ガンのリスクを劇的に減らす可能性があるというのだ。

この研究成果は、今月末に開催される米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology)の年次総会で発表される予定だ。

この研究はシドニー大学の研究者らが行ったもの。過去5年間に2回以上、皮膚ガンを発症した患者386名(年齢は30歳から91歳まで)に対し、ニコチンアミド500ミリグラム、またはプラセボ(偽薬)の投与を行い、月に三回、皮膚科医が皮膚ガンの発症をチェックした。

その結果、ニコチンアミドの投与は皮膚ガンの発症リスクを23%軽減することが確認された。また、基底細胞ガンや扁平上皮細胞ガンでも似たような結果が得られた。さらに、ニコチンアミドの投与は、B3の別の形態であるナイアシンと違い、頭痛や火照り、低血圧といった副作用を起こさないことも確認できた。

パロアルト医療財団でガン研究ディレクターを務めるピーター・ポール・ユー氏は、今回の研究結果を「大規模な臨床試験で効果が実証された」と評価している。

しかし、誰もがニコチンアミドを摂取すればいいとは言えない。皮膚ガン患者にとって有用なサプリメントが必ずしも全ての人に有用だとは限らない。別の機関による新たな研究結果を待つのが最善だろう。ただし、既に皮膚ガンを発症した患者にとっては試してみる価値のあるサプリメントと言えそうだ。

文=マリリン・マルキオーネ/ 編集=上田裕資

 

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