住所を特定のキーワードにより検索できるマップサービスは他にも存在するが「日常単語でよりシンプルに使えるインターフェースを持つところがwhats3wordsの強み」とシェルドリック氏は説く。
日本語対応が完了した2018年頃から、what3wordsは日本市場への進出にアクセルを踏み、各業界にビジネスパートナーを着実に増やしてきた。現在はソニー・イノベーション・ファンドのほか、スバルやアルパインなど大手企業がwhat3wordsに可能性を見つけて投資を行っている。さらに今年の11月中旬からテレビ広告の放映も開始され、一般のコンシューマーにも認知が浸透しつつある。
what3wordsを組み込むアプリが増えている
what3wordsアプリの基本操作は、検索バーに地名やランドマークの名前などを入力後、3m×3mのマス目が見えるまでマップにズームインし、画面をタップして3ワードアドレスを確認する。3ワードアドレスが表示されている状態で画面下の「シェアする」をタップすると、メールやメッセージ、SNSを介して3ワードアドレスが共有できる。
共有を受けた相手が無料のwhat3wordsアプリを入手していれば、リンクをタップすると地図上に3ワードアドレスが表示された状態でアプリが開き、その特定の場所を確認できる。
iOS版what3wordsアプリの画面。地名やランドマークの名前から3ワードアドレスが検索できる。道順検索はiPhoneに入れている他社のマップアプリ等が連携する仕組みだ
例えば広大なフェス会場やテーマパークでピンポイントの集合場所を共有したり、ビルや駅などの指定の入り口を伝えることもwhat3wordsなら可能だ。みんなのタクシーが運営するタクシー配車アプリ「S.RIDE」は、乗車地・目的地の検索システムにwhat3wordsを組み込み、より精度の高いサービスが提供できることをアピールしている。
what3wordsアプリのマップからマス目単位で割り振られた「3ワードアドレス」を探して、メールやSNSで共有できる
シェルドリック氏によると「what3wordsは日本の住所システムと非常に相性が良く、地形や交通網が複雑な都市部のナビゲーションをサポートするテクノロジーとして多くの引き合いがある」という。
日本国内では日立ソリューションズがwhat3wordsと販売代理店契約を結び、デベロッパにwhat3wordsのAPIを販売している。APIを活用することにより、GPSなどで取得した緯度経度の座標情報を3ワードアドレスに相互変換する機能が搭載できる。
シェルドリック氏は「アプリ系のサービスであれば1週間程度、カーナビゲーションシステムのようにハードウェアに組み込む場合でも数カ月ほどでwhat3wordsの組み込みが可能」と説いている。