「人間の持続的幸福感」に関する世界規模の調査がスタート

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このプロジェクトの計画立案が始まったのは2018年のことだ。その際、ベイラー大学とハーバード大学の研究者が共同作業を開始し、こうした前例のない規模での調査に必要な物事について意見を出しあった。

調査の設計にあたっては、数カ月にわたって、設問の微調整や翻訳、パイロットテストを含めた徹底的な開発とフィードバックをおこなった。調査のための装置の開発や研究手法に関する詳細情報は、ハーバード大学の「人間の幸福度プログラム(Human Flourishing Program)」のサイトに掲載されている。

プロジェクトの共同ディレクターを務めるタイラー・ヴァンダーウィール(Tyler VanderWeele)博士は、「私たちがよい暮らしを送り、幸せになり、意義や目的を感じるうえで、人間の体験の主な要素がどのように作用しあっているのだろうか。グローバル幸福度調査はまさに、その理解を深めるために必要とされるタイプの研究だ」と述べている。同博士は、ハーバード大学のジョン・L・ローブ&フランシス・リーマン・ローブ疫学教授で、同大学の「人間の幸福度プログラム」のディレクターも務めており、人間の幸福やコミュニティの結びつき、宗教への深い関与といったテーマに関して多くの論文を発表している。

プロジェクトのディレクターで、ベイラー大学の社会科学栄誉教授かつ宗教学研究所所長も務めるバイロン・ジョンソン(Byron Johnson)は、この調査は研究者に並々ならぬ機会を与えてくれるはずだと述べる。「サンプルサイズがきわめて大きいため、世界の主要な宗教すべてを検証できる。それが人間の持続的幸福感に対してなんらかの影響を持っているのなら、その影響についても調べることができる」

ベイラー大学によれば、今回の調査は同校の歴史上、最大規模の資金を得たプロジェクトだという。この研究には、ジョン・テンプルトン財団、テンプルトン宗教トラスト(Templeton Religion Trust)、テンプルトン世界慈善財団(Templeton World Charity Foundation)、ウェルビーイング・フォー・プラネット・アース財団(Well-Being for Planet Earth Foundation)、フェッツァー研究所(Fetzer Institute)、ウェルビーイング・トラスト、ポール・L・フォスター・ファミリー財団(Paul L. Foster Family Foundation)、デイビス&キャロル・マイヤーズ財団(David & Carol Myers Foundation)が出資している。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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