リビアンの株価は、11日の22%以上の上昇に続き、12日午後の取引で4%強上昇し、130ドル弱で金曜日の取引を終えた。
上場初日の時価総額が一時900億ドル(約10兆2600億円)を突破したリビアンのIPOは、フェイスブック以来で最大の米国企業のIPOとなった。同社の株価は、取引初日に約30%上昇し、100ドル強をつけていた。
テスラのCEOのイーロン・マスクは11日、リビアンの「本当の試練」は高い生産台数を実現することと、損益分岐点に到達することだとツイートした。
マスクは、競合の電気自動車メーカーの成功を願う一方で、こう指摘した。「何百社もの自動車関連のスタートアップが誕生したが、過去100年間で大量生産とプラスのキャッシュフローを両立させた米国の自動車メーカーはテスラだけだ」
リビアンの巨大なIPOは、2010年に上場したテスラのそれとは対照的だ。テスラのIPOでの調達額は約2億ドルだったが、リビアンは、120億ドル近くを調達した。
リビアンの評価額の高さは、EVに対する投資家の関心の高さを示している。同社は、まだ収益を上げていないにもかかわらず、時価総額は金曜日に1000億ドル(約11兆4000億円)を超えた。リビアンは、今期に12億8000万ドルの赤字を計上すると予測しているが、約7万ドルで販売されるR1TとR1Sのバックログ(受注残)を5万件以上抱えていると発表した。
一方、2007年の住宅市場の暴落を予言し、マイケル・ルイスのベストセラー「世紀の空売り」に取り上げられ、映画「マネー・ショート」で主人公として描かれた著名投資家のマイケル・バリーは、金曜日の早朝に、イーロン・マスクを皮肉たっぷりのツイートで攻撃した。
バリーは、リビアンが直面する課題が、「テスラのように、政府や電力会社からの巨額の補助金をあてにせずに、高い生産台数と損益分岐点への到達を実現することだ」と、マスクに宛ててツイートした。
投資家が次のテスラになると期待しているリビアンは、米国初の完全な電動式のピックアップトラックの「R1T」を発売し、12月に電動SUVの「R1S」を発売する。リビアンは商用車にも進出し、同社の株式の20%を保有するアマゾンから10万台の電動の配送用車両の受注を獲得している。