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2021.11.11

「次のテスラ」と期待のリビアンが上場、時価総額10兆円規模

リビアン創業者 R・J・スカリンジ(Phillip Faraone/Getty Images for Rivian)

投資家が「次のテスラ」として期待するEV(電気自動車)メーカー「リビアン」が11月10日、ナスダック市場に上場した。初日の株価はIPO価格から29%高で終了し、時価総額は一時900億ドル(約10兆2600億円)を突破した。同社のIPOは、2012年のフェイスブックの上場以降で最大の米国企業のIPOとなった。

ティッカーシンボルRIVNで取引されるリビアンの株は、公開価格の78ドルを大きく上回る約107ドルの初値をつけ、取引開始から数分後には116ドルまで上昇したが、その後は上昇幅を縮小し、100ドル強で初日の取引を終えた。

評価額665億ドルで上場を果たしたリビアンの時価総額は、株価の上昇により一時900億ドルを突破した。

リビアンは、IPOで1億5300万株を発行して119億ドルを調達した。これにより同社の上場は、フェイスブックが2012年の上場で160億ドルを調達して以降で最大のIPOとなった。アマゾンはリビアンの株式の20%を保有し、フォードも12%を保有している。

一部の投資家は、リビアンが次のテスラになることに賭けている。同社は、米国で初となる完全電動式のピックアップトラック「R1T」をすでに出荷しており、今年12月には電動SUVの「R1S」の発売を予定している。

リビアンは商用車市場にも進出しており、同社の最大の顧客であるアマゾンは、すでに10万台の電動デリバリーバンを発注済みだ。

同社は、まだ目立った収益をあげていないにも関わらず、株式市場から非常に高い評価を獲得した。リビアンの今四半期の収益見通しは100万ドル以下で、最大で12億8000万ドルの損失を見込んでいる。ただし、同社は提出書類で、約7万ドルで発売されるR1TとR1Sについて、約5万台の受注を獲得済みだと述べていた。

フォーブスは、リビアンの創業者のR・J・スカリンジが保有する同社の株式の価値が、17億ドルに達したと試算している。

リビアンは、今回の上場により時価総額790億ドルのフォードや、同850億ドルのGMなどの自動車業の巨人たちと肩を並べることになった

編集=上田裕資

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