カリフォルニア州アーバイン本拠のリビアンは、8月下旬の秘密裏のIPO申請に続き、1日にSECにS-1書類を提出した。同社は、米国およびカナダの顧客から、4万8390台のR1TピックアップとR1S SUVを受注しており、それぞれ1000ドルのデポジットを受けっ取った。また、出資元のアマゾンからは、2025年までに納車予定の10万台のデリバリーバンを受注している。
リビアンの主要株主には、アマゾンやフォード、ティー・ロウ・プライス、Global Oryx Co.およびManheim Investmentsが含まれている。同社の評価額はPitchBookのデータでは約800億ドル(約8.9兆円)とされている。
先月、イリノイ州ノーマルの工場で製造を開始したばかりのリビアンは、マサチューセッツ工科大学出身のR・J・スカリンジが2009年に設立した企業で、累計100億ドル以上を調達し、フォードやコックスオートモーティブなどの自動車業界の大手からも支援を受けている。
リビアンは、自動車の販売だけでなく、他のガソリン自動車メーカーへの温暖化ガス排出枠(クレジット)の販売からも収益を得られると述べている。テスラはこのクレジットの販売によって多くの四半期で黒字を維持しており、2008年から2021年前半までに、累計48億ドルのクレジットを販売していた。
リビアンはかつて三菱自動車が組立を行っていたイリノイ州の工場を、2017年に買収したが、この工場の生産能力は年間15万台以下とされている。「当社は、近い将来に顧客からの受注が、生産量を上回ることを期待しているが、現在は予約注文を満たすために努力し、バックログを継続的に追加している」と同社は述べた。
リビアンは創業者のスカリンジの持ち株数を開示していないが、フォーブスは彼の保有資産を34億ドルと試算している。