カリフォルニア州やミシガン州、イリノイ州で事業を展開する同社は7月23日、アマゾンやフォード、ティー・ロウ・プライスなどの既存出資元が主導する資金調達ラウンドで25億ドルを調達したと発表した。
今回の調達でリヴィアンの累計調達額は、少なくとも105億ドル(約1兆1600億円)に達したが、これは上場前のその他のEVメーカーをはるかに上回る金額だ。
リヴィアンのR・J・スカリンジCEOは「車両の生産開始を間近に控える当社にとって重要なのは、次の成長段階に向けて突き進むことだ」と述べている。「信頼できるパートナーからの新たな資金注入により、当社は新たな車両プログラムを拡大し、米国内の施設のフットプリントを拡大し、プロダクトの国際展開を加速させていく」と彼は続けた。
今回の資金調達は、リヴィアンがイリノイ州ノーマルにある工場に加えて、米国内に第2の組立工場を追加する意向であるという報道の翌日に発表された。同社はこれが事実であると認めた模様で、「Project Tera」と呼ばれる追加施設の設置を検討中であると述べている。
一部の報道によると、リヴィアンは早ければ年内にも上場を計画中という。
同社は今月、世界の自動車メーカーに影響を与えているチップ不足のため、ピックアップトラックの「R1T」とSUV の「R1S」の納車が遅れることを顧客に通知していた。ピックアップは9月に納車予定で、SUVはその後すぐに納車されるという。
リヴィアンは、革新的でありながら伝統的なスタイルのR1Tを、イーロン・マスクの近未来的デザインの「サイバートラック」に対抗させることで、電動ピックアップ市場でテスラに真っ向勝負を挑んでいる。また、リヴィアンのブランディングが健康的なアウトドア活動と結びついているのに対し、サイバートラックはターミネーターのような終末論的世界の軍用車というハードなイメージを打ち出している。
リヴィアンは、一般消費者向けの車両だけでなく、アマゾンから10万台の電動配送車の受注を獲得しており、初期段階でその恩恵を受けることになる。今回のラウンドには、サードポイントやフィデリティ、ドラゴニア・インベストメント、Coatueらも参加した。