DXから日本の未来を語る 「Forbes JAPAN DX SUMMIT 2021」


Session 1「ビジョナリ型 VS ボトムアップ型、企業変革の実践的アプローチを探る」


Session 1では、DXの取り組みで先進的な企業各社がそのアプローチ方法について語り合った。SOMPOホールディングスのデジタル事業オーナーグループCDO執行役専務の楢﨑浩一、住友商事の代表取締役副社長執行役員メディア・デジタル事業部門長CDOの南部智一、ベネッセホールディングスの執行役員CDO兼グループDX戦略本部長の橋本英知、ベイカレント・コンサルティングのデジタル・イノベーション・ラボシニアマネージャーの加藤秀樹が登壇し、同ラボチーフエバンジェリストの八木典裕がモデレーターを務めた。



八木はまず、DXの取り組みにはビジョナリ型とボトムアップ型があり、両者が噛み合うことで、より前に進むと解説。それを受け、楢﨑、南部、橋本の3人がそれぞれの取り組みを紹介した。

楢﨑は、SOMPOホールディングスが「安心・安全・健康のテーマパーク」をビジョンに掲げ、事故や不幸が起こる前に安心・安全・健康を顧客に提供しようする試みを紹介。そこにデジタルが深く関わり、リアルデータプラットフォームを構築している。さらには新しい事業の創出にもチャレンジしていることから、同社の取り組みがビジョナリ型であると説明した。

南部は、住友商事グループが957社のグループカンパニーを6つのグループで管理していることを紹介し、環境変化のなかでビジネス構造を変えていかなければならないと言及。自律した個々の組織で人材とお金をどう組み合わせていくかという仕組みにDXを活用していると説明し、ボトムアップ型でDXを進めていることを示した。

橋本は、ベネッセホールディングスが教育を柱にさまざまな事業を展開していることから、それぞれが事業フェーズに合わせてDXを推進していると説明。「各事業で知見を蓄えつつ、組織能力を向上していく。これは一部のIT部門やデジタルのフロントに携わる部門だけでなく、すべての社員が変わっていかないといけないこと」と述べ、ビジョンを大切にしながらも現場を重視している姿勢を示した。

3人の発言を受け加藤は、DXは「デジタルバッチ」「デジタルインテグレーション」「デジタルトランスフォーメーション」の3ステップで進めるべきと提言。その後、3人はボトムアップ型でDXを進めるための社員への「やる気スイッチ」の押し方や、全社的に取り組んでいくための「インナーブランディング」と「アウターブランディング」の考え方について語り合った。


左から、橋本英知 ベネッセホールディングスの執行役員CDO兼グループDX戦略本部長、南部智一 住友商事 代表取締役副社長執行役員メディア・デジタル事業部門長CDO、楢﨑浩一 SOMPOホールディングスのデジタル事業オーナーグループCDO執行役専務
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text by Fumihiko Ohashi edit by Akio Takashiro

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