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宇宙

2025.01.20 12:30

宵の東の空に今、「金色」に明るく輝く星の正体は?

望遠で撮影した「金色」に輝く火星(Jacob Powers/Getty Images)

望遠で撮影した「金色」に輝く火星(Jacob Powers/Getty Images)

夕暮れの空に明るく輝く星といえば、誰しもまず金星を思い浮かべるだろう。太陽が沈んだ後の数時間、西の空に君臨する「宵の明星」は今、非常に目を引く存在だ。しかし、東の空にも2つ、とても明るい星が光っている。その一方は金色だ。

この金色の星の正体は、火星である。空が暗くなるとともに、木星の後を追って東から昇ってくる。「赤い惑星」の異名をとるが、一晩かけて南の空を移動していく姿は金色に輝いているように見える。なぜこれほど強い光を放っているのか、金色に見えるのにどうして「赤い星」と呼ばれるのか。今まさに見ごろを迎えている火星についてまとめた。

火星の見つけかた

日が暮れてから外に出て東の空を見上げると、おうし座の位置に木星が見えるはずだ。その左下に輝いているのが火星である。すぐ上に、ふたご座の兄弟星カストルとポルックスがある。右側には、オリオン座で最も明るい1等星ベテルギウスが光っている。こちらも赤っぽく見えるが、火星ではないので間違わないようにしよう。

火星の「衝」

火星は現在、771日ぶりに最も明るく見える状態にある。これは、火星が地球をはさんで太陽とちょうど正反対の位置関係になる「衝(しょう)」と呼ばれる瞬間を迎えたばかりだからだ。火星が地球に最接近し、太陽の光を100%反射して光っている面が正面から見える時期である。

日の入りの頃に東の空から昇った火星は、夜通し明るく輝き、日の出と入れ替わるように西の空に沈む。

米ノースカロライナ州シャーロットで2025年1月13日に撮影された「ウルフムーン」の満月と火星(Peter Zay/Anadolu via Getty Images)

米ノースカロライナ州シャーロットで2025年1月13日に撮影された「ウルフムーン」の満月と火星(Peter Zay/Anadolu via Getty Images)

火星の明るさと近さ

2025年の衝の時期の火星は、マイナス1.4等級まで明るくなる。ただ、これは地球から見て最も明るい火星ではない。火星の公転軌道は楕円形をしているため、衝の時期でも地球との距離が近かったり遠かったりするのだ。

同じ理由で、今回火星と地球との距離が厳密に最も近づいたのは衝の数日前、1月12日だった。このとき火星と地球は約9608万km、0.6天文単位まで接近した。

ちなみに、金星の明るさは現在マイナス4.3等級、木星はマイナス2.5等級だ。衝の火星は夜空で指折りの美しい天体であることに間違いないものの、今のところ明るさ勝負では25対1で金星に軍配が上がる。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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