谷本:SDGs世界を生き残っていくためには、この理念の根幹たる「利他」や「ノンゼロサム(勝ち負けではなく、すべての人が豊かになる)」ということが必要だと思います。そのためには、自社だけでなく、バリューチェーン全てで豊かになるための方向性をひとつにするとか、地域を交えて繋がりながらオープンに取り組んでいくことが必要なのではないでしょうか。
天沼:では、北廣さんに伺いますが、官民連携を進めて行く際の意識すべきポイントは?
北廣:自治体は基本的には住民や企業を支援するのがメインの仕事であり、民間事業者等から「助けてもらう」ことには慣れていません。そのため、官民連携は予算を用意して「調達」しなければ、といった考えになりがちです。そのため、「自分たちが困っていることに対して何か良い解決方法のアイディアを下さい。
予算はそのアイディアを採用して実践するときに付けるようにします。」というやり方への変更を提案しています。官民でオープンに情報をシェアしてSDGsを推進していくことが必要で、さらには、民間から「ふるさと納税」を財源とした提案、敢えて自治体の予算を頼りにしないという解決策を提案して課題解決を図るといった、民間の知恵、ノウハウを活用したオープン・イノベーションが必要な時期が来ていると思います。
川越:現場としては官民連関はそれほど難しいわけではありませんが、とにかく民の方からも連携を深めるように仕掛けて、双方向からの取り組みを目指すことが大切なのでしょうね。
天沼:「時間軸を変える」「もはやゼロサムゲームの時代ではない」など、とても蘊蓄のある学びの場となりました。パネリストの皆さま、本日は有難うございました。