そんな中、10月5日に開催された「シェアサミット2021」では、2015年9月、国連サミットで採択された「SDGs」の実現をテーマに、「地球を救うための人類のミッション」について様々な分野からの専門家を集め、議論がなされた。
今回はそのセッションの中から、エアークローゼットの代表取締役社長兼CEO 天沼聰を迎え、パネリストとして内閣府 地方創生推進事務局参事官の北廣雅之、コークッキング代表取締役CEO 川越一磨、そして、Forbes JAPAN Web編集長の谷本有香が参加したセッション「設計からの実践のSDGs」について紹介する。
天沼聰(以下、天沼):本日は2015年9月国連サミットで採択された「SDGs:持続可能な開発目標」と言う幅広いテーマを下に、お三方それぞれの立場から率直なご意見をいただき、その後その中身について語り合う場にしたいと思っています。
では、まず最初に、本日のパネリストの皆さまに簡単な自己紹介をお願いしたします。
北廣雅之(以下、北廣):はじめまして、内閣府 地方創生推進事務局参事官を務める北廣雅之と申します。まず私共の取り組みを簡単に説明させていただきますと、2015年に定められた「SDGs: 持続可能な開発目標」を踏まえ、地方創生推進事務局では、2030年に向けてどのような社会、街づくりをして行くのかという課題に取り組んでいるところです。
政府全体としては、総理を本部長とするSDGs推進本部を設置、毎年SDGsアクションプランを策定し、特に「地方の人口減少問題」や「地域経済の活性化」といった課題に対してSDGsを原動力とした地方創生への取り組みを推進しています。現在、高齢化や人口の減少問題を抱えている地方都市にとって、既存の資産を有効に活用するシェアリングの理念も大切な要素と考えています。
特に地方都市では高齢者に伴うお年寄りのための公共交通手段の確保が重要課題であるにも関わらず、その維持が難しくなっており、移動手段のシェアリングが一つの解決策につながるのではと考えています。また、官民マッチングの取組では、自治体が抱える地域課題について、民間から解決のための提案を募っていますが、たとえば、自治体側が「空き家を有効活用する方法」などは、シェアリングの活用も有効と考えます。持続可能な街づくりを推進して行くためにはシェアリングという考えは、非常に重要なものになってきます。