川越一磨(以下、川越):川越一磨と申します。現在私どもは食品ロス削減に特化した企画を推進しています。
農水省の発表によると、現在の日本の年間食品ロスは600万トン。2030年にはその数値が490万トンになるであろうと予測され、目標の50%減300万トンに到達するにはまだ少し数字が足りない状況で、そのギャップを埋めるためにに現在、食品ロスに対応するアプリ「TABETE」を活用して既存の課題に挑戦しながら、自分にも地球にも優しい食生活というテーマでSDGs推進に取り組んでいるところです。
分かりやすく言うと、デパ地下食料品販売のようなもので、中食店(惣菜店やお弁当屋)と消費者をTabeteというアプリで繋げ、お店はストーリーを書いて売れ残りを提示、買い手はそのニュースを見て食品を買うというモバイルオーダー仕組みのビジネスです。現在の登録者数は46万5000人、登録店舗数は1800店舗位で、マッチング成功率は50%、そして大手の中食業者、パン屋、ドトールさんなどと提携して活動しているところです。
谷本有香(以下、谷本):Forbes JAPANに所属する前は、10数年にわたって金融経済番組のアンカーやコメンテーターとして活動しておりました。その中で、強欲的とも言える資本主義の真っただ中に佇むような気持ちに時になっており、その当時から心密かに「もっと人に寄り沿った優しい資本主義があるのではないか?」「あるとしたら、それはどのような社会なのか?」など、常々頭の中に様々なシミュレーションを描きながら仕事をしてきました。
そういう中でSDGsという世界共通の理念が生まれ、今までの大量生産型の消費経済や、必ず勝ち負けが生まれ、分断を生み出す行き過ぎた資本主義の姿にメスを入れようとしている動きに個人及びメディアの双方から非常に大きな希望を持つようになりました。メディアとしても非常に関心が高い課題ですので、Forbes JAPANでも様々な形でSDGsのテーマを取り上げて取材活動をしていまるところです。
天沼:では、北廣さん、SDGsの地域における実践状況、そして成功例について、少しお話を伺えますか?
北廣:地域の実践状況アンケート調査結果によると、2017年の時点で、SDGsに取り組んでいた自治体はわずか1%でしたが、2020年になると39.7%迄上がってきています。自治体の総合計画などでSDGsの達成を掲げたり、役所の中にSDGsの担当部署を設置する等、SDGsのローカライゼーションが進んでいる状況です。