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2021.10.29 18:00

ブルゴーニュから日本へ。名門当主が函館でワイン造りをする理由

de MONTILLE & HOKKAIDOの豪2018年ヴィンテージ(ピノ・ノワール)

日本ワインの勢いが止まらない。近年の日本ワインは、品質の高まりが著しく、バラエティも豊かになり、以前に増して魅了されている人は少なくないはずだ。もともと日本は、ワイン用ブドウの栽培に最適ではないとされていたこともあり、日本ワインの成長と躍進の背景には、造り手たちのたゆまない努力がある。

世界トップクラスのワイン生産者も日本に注目し始めた。今回は、ブルゴーニュのエティエンヌ・ド・モンティーユ氏が、北海道で取り組んでいるワイン・プロジェクトを紹介したい。

元弁護士&バンカーのブルゴーニュの名門生産者


多くのワインラバーが憧れる地がブルゴーニュだろう。主に、白はシャルドネ、赤はピノ・ノワールのブドウから、世界最高峰のワインが生み出される特別な場所だ。

ブルゴーニュのヴォルネイ村に本拠地を構える名門ワイナリーが、ドメーヌ・ド・モンティーユだ。約300年の歴史を持つ家族経営のドメーヌで、世界有数の銘醸畑から垂涎のワインを造っている。


当主のエティエンヌ・ド・モンティーユ氏

現当主のエティエンヌ・ド・モンティーユ氏は、弁護士やM&Aバンカーとしてのキャリアを経て、家族のワイナリーを引き継いだ。ブルゴーニュへ戻ろうと思ったきっかけは、19歳の時に1年間カリフォルニアのベイエリアに住み、ワインへの興味が増したことだったという。伝統的なワイン産地で育ち、西海岸の自由な精神に出合ったことは、その後の人生に影響を与えたのかもしれない。

限られたブドウ用の農地に対して需要の高いブルゴーニュでは、ブドウ畑の価格の高騰が著しく、新たに特級や一級格付けの銘醸畑を取得するのは非常に難しい。そんななかでド・モンティーユ氏は、弁護士としての才覚を発揮し、新しい形でヴォーヌ・ロマネ村のレ・マルコンソールなど、素晴らしい畑を取得し、また「Chateau de Puligny Montrachet」を買収するなど、着実にドメーヌを成長させてきた。

栽培面では、オーガニックやビオディナミ農法を採り入れるなど、さらなる改善を図った。醸造やワインスタイルも時代に合った早くから楽しめるものに変えてきた。


Domaine De Montilleのセラー
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文、写真=島悠里

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